米国株投資が一般化する中で、「楽天VTI（楽天・全米株式インデックス・ファンド）」と「eMAXIS Slim米国株式（S&P500）」は多くの投資家に選ばれている人気ファンドです。どちらを選ぶべきか悩む声も多く、本記事では両者の違いや楽天VTIの魅力に焦点を当てながら、最適な選び方を解説します。
楽天VTIとは？全米株式の魅力
楽天VTIは、バンガード社のETF「VTI」に投資するファンドで、米国の上場企業ほぼすべて（約4,000銘柄）に分散投資することが特徴です。S&P500が主に大型株500社に限定されるのに対し、楽天VTIは中小型株までカバーしているため、米国市場全体の成長を享受できます。
たとえば、成長著しい中小企業や新興企業の値上がり益を取り込みたいと考える長期投資家には、楽天VTIのほうが魅力的に映ることもあります。
eMAXIS Slim米国株式（S&P500）の特徴と強み
eMAXIS Slim米国株式（S&P500）は、信託報酬の低さとS&P500という歴史ある指数に連動していることから高い人気を誇ります。投資対象は米国の大型優良企業で、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどが含まれます。
また、eMAXIS Slimシリーズは業界最安水準の信託報酬を目指す姿勢があり、運用コストを気にする投資家にとって非常に魅力的です。
楽天VTIが優れている点とは？
- より広範囲な分散投資：米国全体の企業に投資しており、中小型株の成長も享受可能
- 実質的にバンガードVTIに投資：世界的に定評のあるETFをそのまま取り込める
- VTIと同様のパフォーマンスを目指せる：VTIは過去のトータルリターンでS&P500を上回った年も多い
例として、2000年代初頭のドットコムバブル崩壊後、S&P500よりもVTIのパフォーマンスが良かった期間が存在します。これは中小型株の回復が早かったことが理由です。
どちらを選ぶべき？投資目的とスタイルが鍵
楽天VTIは「米国市場全体の成長」を取り込みたい人に向いており、eMAXIS Slimは「大型株中心で着実に運用したい人」に向いています。たとえば、20〜30代で長期的な資産形成を考えるなら楽天VTIのような分散性重視のファンドも有力な選択肢になります。
一方、定年後に資産を守りつつ運用するというスタイルであれば、より安定感のあるS&P500連動型が選ばれやすい傾向にあります。
楽天VTIとeMAXIS Slim（S&P500）の比較表
| 項目 | 楽天VTI | eMAXIS Slim（S&P500） |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国全体（約4,000銘柄） | S&P500（約500銘柄） |
| 信託報酬 | やや高め（0.162%程度） | 非常に低い（0.09372%程度） |
| リスク分散性 | ◎（中小型株含む） | 〇（大型株中心） |
| 過去のリターン | VTIの実績に準ずる | S&P500指数に準ずる |
まとめ：楽天VTIとeMAXIS Slim、どちらも優秀だが目的に合わせて選ぼう
楽天VTIとeMAXIS Slim（S&P500）はどちらも実績・信頼性の高い優良ファンドです。信託報酬を抑えたい方にはeMAXIS Slim、より広範囲な成長を取り込みたい方には楽天VTIがおすすめです。最終的には自身の投資目的、リスク許容度、保有期間を踏まえて判断することが重要です。
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