PTS取引と現物株の同日売買は同一日と見なされるのか?税務上の扱いと注意点を解説

株式

株式投資において、日中に現物株を売却し、夜間PTS市場で同じ銘柄を買い戻す行為は、一見シンプルに見えますが、税務や損益通算の観点では特別な注意が必要です。本記事では、日中取引と夜間PTS取引の取り扱いについて、税務上どのように認識されるかを中心に詳しく解説します。

PTS取引とは?

PTS(Proprietary Trading System)とは、証券取引所を介さずに売買ができる私設取引システムのことです。夜間取引(ナイト・セッション)を提供していることで有名な「SBI PTS」や「チャイエックスPTS」などが代表例です。

通常の取引時間外に取引できるため、日中に情報が出た場合でも即座に売買の対応が可能になります。ただし、PTSは取引所ではないため、「取引日」や「受渡日」などの扱いに違いが生じる可能性があります。

日中の売却と夜間の購入は同一日の売買になるのか?

税務上、売却日と購入日が同じでも、それぞれの取引が別の取引として扱われます。つまり、現物株の売却が昼間の東京証券取引所で行われ、購入が夜間PTSで行われた場合でも、それぞれの損益は独立して計算されます。

したがって、「同日売買(いわゆる回転売買)」とみなされ、損益通算の対象から除外されることは基本的にありません。ただし、証券会社によって取引の反映タイミングが異なるため、実際の課税計算の明細は証券会社の年間取引報告書で確認するのが確実です。

PTSでの購入が当日分とみなされる条件

PTS市場での取引は証券会社によって決済日や受渡日が設定されており、多くの場合、当日の取引としてカウントされます。したがって、日中の現物株売却と同じ営業日であれば、損益計算上は同一日の取引と見なされるケースが多いです。

ただし、証券会社が独自のルールやシステムを用いている場合があるため、PTSでの注文が翌営業日扱いになることもあります。必ず証券会社のPTS取引に関する説明や約款を確認しましょう

損益通算の注意点と節税の落とし穴

たとえば、午前中に100万円分の株式を売却して5万円の利益が出たとします。同日夜にPTSで同じ銘柄を買い戻した場合、その取引自体は利益確定の意味を持ちますので、5万円は課税対象の譲渡益となります。

ただし、PTSでの購入によって生じる含み損は、売却が確定しない限り税務上損益通算の対象になりません。この点を勘違いすると「損益相殺できるはずだったのに税金がかかる」といった思わぬミスに繋がります。

実際の取引記録でどう確認すべきか

年間の損益や課税対象は、証券会社が発行する「年間取引報告書(特定口座年間取引報告書)」で確認できます。PTS取引を含めたすべての売買が記載され、税務申告の際の根拠資料となります。

なお、日本証券業協会や金融庁などの公的資料にも、税務処理の考え方が掲載されていますので、確認すると安心です。

まとめ:基本は別取引扱い、でも証券会社に確認を

日中の売却と夜間PTSでの購入は、税務上「同日の売買」として扱われますが、損益は別々にカウントされます。結果として、課税対象となる譲渡益が発生する可能性があるため、節税を意識した売買戦略には注意が必要です。

最終的には、証券会社のPTS取引ルールに従って、売買日や受渡日が決まります。疑問があれば、取引先証券会社に問い合わせるのが確実です。

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