トレードの過去検証をしていると、「最近は勝てているのに2018年ではまったく通用しない」といったケースに出会うことがあります。これは珍しい現象ではなく、多くの検証者が直面する“あるある”です。本記事では、その背景と対応策について詳しく解説します。
相場環境は常に変化している
市場には「トレンド相場」と「レンジ相場」などの違いがあり、同じロジックでも機能する時期としない時期があります。
特に2018年は株式市場において「ボラティリティの急上昇」と「米中貿易摩擦による乱高下」が重なり、テクニカル指標が効きにくい荒れた相場でした。
バックテストが機能しない理由は“相場の質”にある
たとえばトレンドフォロー系の戦略は、2018年のように上下に振られる相場では損切りが多発する傾向があります。
逆に2023年以降のような明確な上昇トレンドが続いた局面では、同じ戦略でも勝率が高くなります。
実例:移動平均線クロスによる順張り手法を用いた場合、2020〜2023年は年間でプラスになっていたのに対し、2018年は大きくドローダウンを記録する結果になったという検証例もあります。
戦略ごとに“強い相場”と“弱い相場”がある
すべての相場に対応できる手法はほぼ存在しません。つまり、戦略がハマる相場環境を把握することが非常に重要です。
たとえば。
- ブレイクアウト戦略:レンジ相場ではダマシに遭いやすい
- 逆張り戦略:強いトレンドには逆らう形になりがち
- スキャルピング:ボラティリティが高すぎると一方向へ動いて負けやすい
検証時には「どの年に勝てて、どの年で負けるのか」を把握し、その背景を言語化しておくことで応用力が高まります。
2018年が“特殊”だったと言われる理由
2018年は以下のような特徴がありました。
- 2月:VIXショック(ボラ急騰)
- 10月:米中貿易戦争激化による株価急落
- 年末:米国株全面安でS&P500は年初来マイナス
このように複数の“予測不能なイベント”が集中した年だったため、ルールベースの戦略がことごとく機能しにくい環境でした。
過去検証で見るべきポイントとは?
・勝率や利益率だけでなく、ドローダウンやPF(プロフィットファクター)も確認する
・勝てない時期は「なぜダメだったのか」を記録しておく
・機能する相場としない相場を切り分けて検証する
特に過去10年程度の複数環境をカバーしておくことで、“一発屋の戦略”を避けることができます。
まとめ:過去の年によって成績が変わるのは当たり前
2018年のようなボラティリティの高い局面では、多くの検証戦略がうまく機能しないことがあります。
これは決して珍しいことではなく、相場環境によってロジックの優位性が変化するのはごく自然な現象です。
検証で大切なのは「勝てるかどうか」よりも、「なぜ勝てた/負けたのか」を理解すること。相場の文脈を読み解き、戦略の適応力を高めていきましょう。

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