IMM通貨先物にスワップはある?ドル円ポジション保有時の費用と仕組みを解説

外国為替、FX

IMM(International Monetary Market)通貨先物は、主にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引される通貨デリバティブであり、ドル円やユーロドルといった通貨ペアの先物取引が対象です。為替相場のセンチメント分析に活用されることが多く、「円買い」「ドル売り」ポジションが積み上がると将来的な円高期待と解釈されることもあります。本記事では、このIMM通貨先物における“スワップ”の概念や、ポジション保有に伴うコストの実態について解説します。

IMM通貨先物とは?基本の仕組み

IMM通貨先物は、特定の通貨を将来の期日にあらかじめ決められた価格で売買する契約です。FX(外国為替証拠金取引)とは異なり、差金決済であり実際の通貨の受け渡しは行われません

たとえば「ドル円で円買い(ドル売り)」の先物ポジションを建てると、期日に円高方向へ動いていれば利益が出る仕組みです。

スワップポイントは発生するのか?

FXでは金利差によってスワップポイントが発生しますが、IMM通貨先物ではスワップポイントという形での金利の受け渡しは存在しません

その代わりに、先物価格自体にすでに「金利差」が織り込まれています。これは先物価格が現物価格に対して「金利裁定モデル」によって理論的に調整されているためであり、間接的には金利コストを反映しているものの、FXのように日々発生・受け払いされるスワップとは異なります。

IMMのポジション保有コストと満期までの影響

IMM先物は原則として建玉の維持にスワップ支払いはありませんが、先物価格に含まれる金利差がポジションの損益に影響を与えることに注意が必要です。

たとえば、ドルの金利が高く円の金利が低いとき、理論上ドル円の先物価格はスポットよりも高くなります。円買い(ドル売り)ポジションを保有していると、この金利差分だけ逆風となり、時間の経過とともに損益にじわじわと影響を及ぼすケースもあります。

FXとの比較:スワップの実感値の違い

FXでは、たとえば「円買い・ドル売り」を行うと、日々マイナススワップが発生することが一般的です。2024年以降は日米金利差の拡大により、ドル売りポジションには1日数十円〜数百円単位のマイナススワップが発生しています。

一方、IMM通貨先物ではこのスワップが表面上見えないため、「保有コストがない」と感じられがちですが、実際は金利差が価格に織り込まれており、コストは取引価格に内包されています

IMMポジションは“ながく持てば得”なのか?

ドル円で円買いポジション(ドル売り)を長期で保有していても、スワップが直接差し引かれることはありません。しかし、価格変動が金利差を考慮した方向で進む可能性があるため、必ずしも「長期保有=低コスト」ではない点に注意が必要です。

実例として、円買いポジションが市場全体で極端に積み上がっていた時期(例:2020年春)では、その後円高が進まなかったことで先物の価格調整分が不利に働いたという見方もできます。

まとめ:IMM通貨先物にはスワップはないが“金利影響ゼロ”ではない

IMM通貨先物は、日々のスワップポイントが発生するFXとは異なり、スワップの支払いや受け取りは存在しません。しかし、先物価格そのものに金利差が織り込まれており、それが損益に反映される構造になっています。よって、ドル安円高に進めば理論上利益になりますが、その進み方とタイミング次第では金利コスト的な不利を受けることもある点を理解しておく必要があります。

外国為替、FX
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました