テクニカル分析において「サポレジ転換」と「フィボナッチ61.8%」の重なりは多くのトレーダーが注目するポイントです。しかし、それだけで押し目買いを狙っても良いのか、それとも“罠”となるのか。チャートに見える形以上に、本質的な見極めと複合的な判断が求められます。本記事では、押し目エントリーにおける判断基準と注意点をわかりやすく解説します。
サポレジ転換とフィボ61.8%が意味するもの
「サポレジ転換」とは、かつてのサポートラインがレジスタンスラインとして機能する(またはその逆)という、テクニカルの基本的概念です。これに「フィボナッチ・リトレースメント61.8%」が重なると、市場参加者の心理的な反発ポイントと一致することから、エントリーポイントとして注目されやすくなります。
特に61.8%は“黄金比”として知られ、押し目買い・戻り売りの候補として多くのアルゴや裁量トレーダーに意識される価格帯です。
なぜ「それだけ」では不十分なのか
テクニカルの重なりがあっても、それが「信頼できるエントリー根拠」になるとは限りません。多くの場合、一時的な反発(いわゆる“ダマシ”)で終わるケースも存在します。
一瞬反発して、そのまま突き抜けて損切りラインへ直行──これは短期トレードの典型的な失敗パターンの一つです。つまり、サポレジ+61.8%という「見た目の美しさ」に惑わされず、反応の“質”や背景の流れを重視すべきなのです。
エントリーの精度を高める3つの追加要素
- ローソク足のプライスアクション:反発局面で「ピンバー」「包み足」など明確な反転シグナルがあるか
- 出来高・オシレーターの確認:RSIやMACDでのダイバージェンスや過熱感の有無
- 時間足の環境認識:上位足のトレンドと方向性が一致しているか
これらを組み合わせることで、押し目エントリーの信頼性は格段に高まります。
実例:一見好条件でも損失となるケース
たとえば、USD/JPYの4時間足で、過去にレジスタンスだった価格帯+フィボ61.8%が重なった箇所で買いを入れたとします。短期的には10pips程度反発しましたが、その後米国CPI発表でドル安が進行し、サポレジは無視され大陰線でストップロスを巻き込む展開となりました。
このように、テクニカルだけでは読みきれない“イベントリスク”や“市場心理”が背景にあるため、複数要素での確認が必須です。
押し目を拾うのではなく、押し目が機能したことを確認してから入る
最も安全なエントリー手法の一つが「押し目を拾う」のではなく、押し目として機能した(反発が確定した)後に追随するというスタンスです。
これは「順張り+後追い」であり、確かにエントリーは遅れますが、ダマシの可能性が低減され、リスク管理もしやすくなります。
まとめ:テクニカルの重なりに「過信」は禁物
サポレジ転換とフィボナッチ61.8%が重なっているというだけで押し目買いに飛びつくのは、確かに「博打的な要素」を含みます。チャート上で反応が見えても、それが継続する保証はどこにもありません。
より確度の高いエントリーを目指すには、プライスアクション、出来高、環境認識、時間帯、ニュースリスクなどを総合的に判断することが求められます。見た目の形ではなく、背景の“本質”を読み取る力が、勝ち続けるための鍵なのです。

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