日経平均株価は、1989年末のバブル期に史上最高値を記録した後、長い低迷期を経て、現在は4万円台に迫る高水準へと上昇しています。この動きにはさまざまな経済政策や市場環境が影響しています。過去から現在までの動きを振り返ることで、今後の動向についても見通しが立てやすくなります。
2012年以降の上昇要因:アベノミクスと金融緩和の影響
2012年末、第二次安倍政権発足とともに打ち出された経済政策「アベノミクス」が、日経平均の反転上昇の起点となりました。この政策の柱は、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略の3本の矢でした。
特に、日銀による量的・質的金融緩和(QQE)は円安を加速させ、輸出企業の業績を押し上げた結果、株価に強い追い風となりました。加えて、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式への投資比率を引き上げたことも、株価上昇に寄与しました。
バブル崩壊から長期低迷まで:1989〜2012年の「失われた20年」
バブル期の株価上昇は、不動産価格の高騰や過剰な融資(いわゆる「総量規制」)によって支えられていました。1990年代初頭にバブルが崩壊すると、株価は急落し、景気も長期低迷に突入します。
その後、日本はデフレと戦いながらも大胆な政策を打ち出すことなく、景気回復が進まないまま時間だけが経過しました。企業の業績も伸び悩み、海外からの投資も敬遠される状況が続いたため、株価は20年以上にわたって低迷しました。
現在の上昇が金融政策によるものなら、緩和終了で下がるのか?
現在の株価上昇の大きな要因が金融緩和と円安にあるとするなら、金融引締めや円高が再び起これば、株価下落の可能性も否定できません。しかし、2012年以降の企業収益力の改善や経営改革、海外投資家からの信頼回復といった構造的な変化も進んでいます。
例えば、東京証券取引所の市場再編や企業のROE(自己資本利益率)重視の姿勢、持ち合い株の解消などにより、株式市場は過去よりも健全性を高めています。そのため、単純な金融政策の逆回転だけでは、必ずしも「元通りの8千円台に戻る」とは限りません。
円高と金融引締めのリスクは依然存在
とはいえ、2025年以降に日銀が本格的な金融引締めに移行し、さらに世界的な景気後退や米国の利下げによって円高が進行した場合、株式市場にマイナスの影響が出る可能性はあります。
仮に円高が進行し、企業の業績に打撃があれば、日経平均は3万円を大きく割り込む展開も想定されます。専門家の中には、2万5千円〜2万8千円あたりまでの下落リスクを指摘する声もあります。
実例で学ぶ:過去の円高局面と株価の関係
過去の円高局面では、日経平均は大きく下落しました。例えば、1995年には1ドル=80円台に突入し、企業の業績が悪化。株価は1万7千円から1万4千円台まで急落しました。
また、2008年のリーマン・ショック後も急激な円高が進み、日経平均は1万3千円台から8千円台へと下落しました。円高が企業利益に与える影響は依然として大きく、今後の為替動向には注意が必要です。
まとめ:過去の教訓と現在の状況を踏まえた冷静な投資判断を
日経平均の動向は、金融政策や為替の影響を受けやすい一方で、企業業績や構造改革の進展といった中長期的な視点も重要です。かつてのように8千円台まで下がるリスクは低くなっていますが、過信は禁物です。
投資家としては、政策の動向や為替リスクを注視しながら、分散投資や長期視点の資産形成を心がけることが重要です。過去の歴史を知ることは、将来の判断材料として大いに役立ちます。

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