投資信託を他社のNISA口座に移すことはできる?移管の可否と注意点を解説

資産運用、投資信託、NISA

「のむラップ・ファンド(普通型)年6%目標分配金受取型」などの投資信託を、別の証券会社のNISA口座で保有したいと考える方は少なくありません。しかし、NISA制度にはいくつかのルールがあり、単純に「移管」することはできないケースもあります。本記事では、一般口座や特定口座から他社のNISA口座への移動が可能なのか、現実的な選択肢や注意点について詳しく解説します。

NISA口座間での移管は原則できない

NISA口座では、他の金融機関から既に購入済みの金融商品を別のNISA口座にそのまま「移す」ことは制度上できません。NISA口座は毎年1人1口座しか保有できず、運用商品も「その年のNISA口座で購入」したものに限られます。

たとえば、特定口座や一般口座で保有している投資信託を他社のNISA口座に持って行くには、一度「売却」して、改めてNISA口座で「買い直す」必要があります。

売却・再購入によるデメリットとリスク

一度売却して再度購入する場合、以下のようなリスクやデメリットがあります。

  • 再購入時の価格が変動しているリスク
  • 売却益に対して20.315%の課税が発生する(NISA外の場合)
  • 分配金をすでに受け取っていた場合の非課税枠の恩恵を失う

特に売却時に利益が出ていると、税金が引かれるため再購入しても保有資産が目減りする可能性があります。

NISAで再購入できる条件と留意点

NISA口座で再購入するには、次の年の非課税投資枠がある必要があります。また、購入上限は年間のNISA枠(成長投資枠:360万円など)に収まる範囲です。

再購入する投資信託がNISA対象であること、かつ新しい証券会社でそのファンドの取り扱いがあるかも確認する必要があります。

「移す」のではなく「買い直す」という発想が重要

よくある誤解として、「商品そのものをNISA口座に引っ越しできる」と思われがちですが、実際にはそれは不可能です。制度上、NISA口座で保有できるのは「その年にNISAで新規に購入した商品」のみです。

つまり、保有しているファンドをNISAで保有するには「売却→買い直し」というステップが不可欠になります。

実際の移行ステップ:例を交えて解説

例えば、現在A証券の特定口座で「のむラップ・ファンド(普通型)」を100万円分保有しているとします。この資金をB証券のNISA口座で運用したい場合は、以下のような流れになります。

  • ① A証券でファンドを売却(課税対象)
  • ② 現金化された資金をB証券へ移動
  • ③ 翌年のNISA枠で、同じファンド(または別の投信)をB証券で購入

このとき、B証券でそのファンドがNISA対応であることが必須条件です。

まとめ:NISA口座への移行は「実質的に乗り換え」と理解しよう

結論として、投資信託を他社のNISA口座に「移管」することはできず、一度売却して買い直す必要があります。税金や価格変動のリスクを伴うため、判断には注意が必要です。

もし税金の影響を避けたい場合は、NISAでの新規購入を前提に、今後の積立設定などでNISAを活用する方針に切り替えるのも一案です。自分の投資スタイルや目的に合わせて最適な方法を選びましょう。

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