テクニカル分析において「三尊(ヘッドアンドショルダー)」は、トレンド転換を示唆する重要なチャートパターンとされています。一般的にはネックラインを割ると下落サインとされますが、逆にこのネックラインを上抜けた場合、市場には意外な動きが生じます。この記事では、三尊の否定=上抜けが発生したときのブレイクエントリーの有効性や、その背景にある注文状況を詳しく解説します。
三尊パターンとは?基本構造をおさらい
三尊とは、チャート上に左肩・頭・右肩という3つの山(または谷)が形成されるパターンで、上昇トレンドの終了を示唆する逆転パターンです。中央の「頭」が最も高く、両肩はほぼ同じ高さになるのが特徴です。
この形が完成すると、ネックライン(両肩の谷を結んだ線)を下に割ることで売りシグナルが点灯します。トレーダーの多くがこのポイントに注目し、ストップロス注文や逆指値注文をセットしていることが多いです。
三尊否定がもたらす急騰のメカニズム
注目すべきは、ネックラインを割れずに上方向に抜けてきた場合。これは「三尊失敗=売りが否定された」という強力な買いシグナルと解釈されることがあります。なぜなら、その上には大量のストップ買い注文やショートポジションの損切り注文が集中しているためです。
つまり、三尊の想定通りに動かなかった場合、逆方向への大きなブレイクが発生しやすくなります。これが「ブレイクエントリーに向いているポイント」とされる所以です。
実際のチャートに見るブレイクパターンの例
たとえばビットコインやNASDAQ先物など、投機性が高い銘柄では「三尊否定ブレイク」で短期的に数%の上昇が見られることも珍しくありません。特に出来高が伴ってネックライン上抜けした場合は、買いが加速しやすくなります。
2022年のドル円チャートでは、明確な三尊を上抜けした直後に急騰し、その後数週間にわたってトレンドが継続した実例もあります。
エントリーポイントと損切り設定のコツ
ブレイクエントリーを狙う場合、ネックラインをローソク足実体でしっかり上抜けた直後にエントリーするのがセオリーです。加えて、前回高値や直近の出来高急増ゾーンなども確認しておくと、リスクリワード比の高いエントリーが可能になります。
損切りは「ネックラインを明確に割ったら」や「上抜け直前の押し目水準」を基準に設定するのが一般的です。リスクリワードを1:2以上に保てるかどうかも重要な判断基準です。
ブレイクは全てが成功するわけではない点に注意
三尊否定ブレイクは高い期待値を持ちますが、常に成功するわけではありません。ブレイクがダマシに終わるケースもあり、むしろボラティリティが高い局面では急落リスクも含まれます。
このため、事前にシナリオを複数用意しておく、損切り幅を想定しておく、ポジションサイズを調整するといったリスク管理は欠かせません。過去のバックテストやデモトレードでの検証も効果的です。
まとめ:三尊が破られた瞬間は、エッジが集中するタイミング
三尊が否定されて上抜けた場合、そこにはストップ買いや損切りの注文が集中しており、一気に価格が動きやすくなります。この現象は、ブレイクエントリー戦略において非常に重要なタイミングとなり得ます。
ただし、その場の勢いに流されることなく、しっかりとチャートの形・出来高・注文の背景を読み取り、リスク管理を徹底した上でトレードを行うことが成功への鍵となります。

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