夏の米国株式市場には“Sell in May and go away(5月に売って夏は離れろ)”という有名な格言があるように、8月は「下がる」と懸念されがちな月です。しかし、2024年の夏は今のところ堅調な動きを見せており、「8月もこのまま上がるのでは?」と感じる投資家も少なくないでしょう。本記事では、8月相場の特性や過去の傾向、そして上昇・下落を左右する要因を分析し、投資戦略のヒントを提供します。
8月相場の傾向とは?歴史データから読み解く
米国株の季節性を検証した場合、8月はボラティリティが高まりやすく、下落リスクが指摘されることも多いです。S&P500の過去30年の平均騰落率では、8月はやや軟調な傾向がありますが、年によっては大きな上昇を見せた例もあります。
たとえば2020年8月はコロナ後の回復期待からS&P500が約7%も上昇しました。逆に2015年のチャイナショックのように8月に急落した年もあります。
2024年の現状:なぜ今のところ強いのか?
2024年はFRBの利上げが一服し、インフレ鈍化や企業決算の好調を背景に、テック株を中心とした上昇が続いています。AIや半導体関連が牽引する強気相場の地合いも、8月に向けての上昇期待につながっています。
また、経済指標(雇用統計・CPIなど)も安定しており、株価の支援材料となっています。
8月に下落する可能性があるとすれば?
注意すべき要因としては、以下のようなものがあります。
- 夏季休暇シーズンで取引量が低下し、値動きが荒くなる
- 8月末のジャクソンホール会議でのFRB要人発言によるサプライズ
- 地政学的リスクや海外経済の不安(例:中国不動産問題など)
これらは一時的な調整のきっかけになる可能性があり、短期的にはポジション整理や利益確定の動きも入りやすくなります。
「上がるかも」と感じたときに大切な視点
投資家心理として、「上がりそう」と感じるときほど冷静さが求められます。特に短期的な上昇トレンドが続いた場合、FOMO(取り残される恐怖)で高値掴みしやすくなるため注意が必要です。
一時的な楽観ムードよりも、中長期の視点と分散投資をベースにした判断が安定した運用につながります。
今できる具体的な投資行動とは?
- ポートフォリオの一部をキャッシュで保持し、下落時に備える
- 指値注文で無理な高値追いを避ける
- ニュースではなく、業績やバリュエーションに基づいた判断を行う
短期トレードを行う場合でも、「損切りルールの徹底」「ポジションサイズの管理」を心がけることが重要です。
まとめ:8月相場は“慎重楽観”で臨もう
8月は一概に「下がる」とも「上がる」とも言えず、経済指標や地政学的なニュース次第で大きく揺れる月でもあります。今のところ堅調に推移していても、過信せず冷静な視点を持ち続けることが投資家にとって重要です。
「上がる気がする」と思ったときこそ、ロジックに基づいた判断とリスク管理を徹底しましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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