毎月発表されるアメリカの雇用統計は、世界中の金融市場に影響を与える重要な経済指標です。とくに株式市場や為替市場では、発表直後に大きな値動きが生じることも珍しくありません。この記事では、雇用統計が投資信託(特に全世界株式インデックスであるオルカンなど)に与える影響と、2025年7月の雇用統計後に鉄鋼株が上昇した背景について詳しく解説します。
雇用統計とは?なぜ市場に影響を与えるのか
雇用統計とは、米国労働省が毎月発表する「非農業部門雇用者数」や「失業率」などを含む統計データのことで、アメリカ経済の健康状態を示す重要な指標とされています。
市場はこの数字をもとに、今後の景気やインフレ動向、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策を予想し、株式や債券、為替に影響が波及します。
雇用統計の内容によって投資信託はどう動く?
投資信託、とくに全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)型は、米国株の影響を大きく受けます。雇用統計の結果が予想を上回る(強い経済)と、景気拡大の期待から株価が上昇する一方で、「利上げが続くのでは」との見方から逆に株価が下がることもあります。
反対に、結果が悪ければ「利下げの可能性」で株が買われることもありますが、景気後退懸念が強まれば売られるケースも。つまり、「良い=上がる」とは限らず、市場の解釈次第で大きく方向が変わります。
オルカン保有者への影響:短期ではなく中長期で見るべき
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)は全世界の株式に分散投資しており、米国株の比率が高いため、雇用統計の影響を間接的に受けることがあります。
ただし、短期的な上下は気にしすぎず、長期目線でコツコツ積み立てるスタイルが基本です。雇用統計発表日に多少の値動きがあっても、一喜一憂せず戦略を継続することが重要です。
2025年7月の鉄鋼株上昇の背景
2025年7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回り、失業率も小幅に上昇しました。この結果を受けて、米国の追加利上げ観測が後退し、金利の低下とともに株式市場全体に安心感が広がりました。
その中で、鉄鋼セクターが買われた理由には以下のような要素があります。
- 中国向け輸出増加の期待:中国の景気対策報道が好感され、鉄鋼需要が回復するとの見方が強まった。
- 円安進行:ドル円が円安方向に振れたことで、輸出企業としての鉄鋼株に追い風が吹いた。
- バリュー株物色:金利が低下することでグロース株よりも割安なバリュー株に資金が向かった。
7月5日の株探ニュースでも、鉄鋼株が強含んだ理由として「中国需要の回復期待」や「市況回復」が挙げられています。
まとめ:経済指標の影響は一時的、投資信託は長期視点で
雇用統計は確かに市場に大きなインパクトを与える指標ですが、投資信託、特にオルカンのような長期分散型ファンドにおいては、一時的な値動きよりも継続的な積立やホールドが基本です。
また、特定のセクター(鉄鋼など)が一時的に注目されることはありますが、セクター分散の効いたインデックスファンドであれば、リスクを抑えつつ世界経済の成長を取り込むことが可能です。雇用統計をきっかけに経済の動きを知り、投資の理解を深める機会として活用しましょう。

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