経済学において、均衡県民所得を求める方法や所得乗数、政府支出の影響を理解することは重要です。ここでは、A県の経済に関する条件を基に、均衡県民所得の計算方法と、所得乗数や政府支出の増加が経済に与える影響を解説します。
均衡県民所得の求め方
まず、A県の経済における均衡県民所得を求めます。均衡所得は、総需要と総供給が一致する点で決まります。以下の情報を元に計算します。
- 基礎消費：30億円
- 限界消費性向：0.5
- 民間投資：15億円
- 政府の財政支出：35億円
均衡県民所得の計算式は、次のようになります。
Y = C + I + G
ここで、Cは消費、Iは民間投資、Gは政府支出です。消費Cは、基礎消費（30億円）に限界消費性向（0.5）を掛けたものです。また、均衡所得Yは、C + I + Gを求めることで得られます。
計算を行うと、均衡県民所得は以下のようになります。
C = 30 + 0.5Y
Y = C + I + G = 30 + 0.5Y + 15 + 35
これを解くと、均衡県民所得Yは約180億円となります。
均衡県民所得のグラフ
次に、均衡県民所得をグラフで表します。縦軸には財の需要と供給、横軸には県民所得Yをとります。均衡県民所得は、総需要曲線と総供給曲線が交差する点で決まります。この交差点が、A県の経済の均衡点を示しています。
グラフを描く際、需要曲線は「C + I + G」として表され、供給曲線は「Y」として表されます。この2つの曲線が交わる点が、均衡所得を示します。
所得乗数の求め方
次に、所得乗数を求めます。所得乗数は、政府支出や投資が経済全体にどれだけの影響を与えるかを示す指標です。所得乗数の公式は次の通りです。
所得乗数 = 1 / (1 - 限界消費性向)
限界消費性向が0.5であるため、所得乗数は以下のように計算されます。
所得乗数 = 1 / (1 - 0.5) = 2
つまり、所得乗数は2となり、政府支出や民間投資が経済に与える影響が倍増することを意味します。
政府支出の増加が県民所得に与える影響
最後に、政府支出が増加した場合の県民所得の変化を求めます。政府支出が10億円増加すると、その影響を所得乗数を使って計算できます。
増加分の政府支出は10億円で、所得乗数は2です。したがって、県民所得の増加分は次のように計算できます。
増加する県民所得 = 政府支出増加額 × 所得乗数 = 10億円 × 2 = 20億円
つまり、政府支出が10億円増加すると、県民所得は20億円増加することになります。
まとめ
A県の経済における均衡県民所得、所得乗数、そして政府支出の増加が経済に与える影響を計算する方法を学びました。均衡県民所得は約180億円であり、所得乗数は2となります。また、政府支出が10億円増加すると、県民所得は20億円増加することが分かりました。これらの計算を通じて、経済の仕組みをより深く理解することができます。
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