個人向け国債変動10年の金利は同じになる?発行時期による違いと仕組みを解説

資産運用、投資信託、NISA

個人向け国債変動10年は、安全性が高く、変動金利であることから注目を集める資産運用の選択肢のひとつです。しかし、「発行された時期が違う国債の金利は、後に同じになるのか?」という疑問を持つ人は少なくありません。本記事では、この疑問に答えるべく、変動10年の金利構造や利払いの仕組みをわかりやすく解説します。

個人向け国債変動10年とは?

個人向け国債変動10年は、財務省が発行する国債の一種で、金利が半年ごとに見直される「変動金利型」です。満期は10年で、年2回の利払いがあります。最大の特徴は、市場金利(基準となるのは「10年固定利付国債の利回り」)に連動して金利が変動する点です。

また、最低金利(年0.05%)が保証されているため、金利が極端に下がってもゼロにはなりません。長期的に見てインフレや金利上昇が見込まれる場合に有利とされます。

金利は発行時に決まり、半年ごとに見直される

変動10年国債は、発行された時点でその時の金利水準に基づいて初回の利率が決まりますが、以降は市場金利に応じて半年ごとに金利が見直されます。そのため、異なる時期に発行された国債でも、将来的に同じ金利水準になる可能性があります

たとえば、2023年6月に発行された変動10年と、2024年6月に発行された変動10年は、2025年6月時点では同じ市場金利に基づいて金利が再計算されているため、同一の利率が適用されることもあります。

実例で比較:発行タイミングの違いと金利水準

仮に2023年6月発行分が初回金利0.20%、2024年6月発行分が0.30%であったとします。これは、発行時点の市場金利の差によるものです。しかし、両方とも2025年6月の市場金利が0.35%になっていれば、その時点の金利は同水準になります。

つまり、発行時の金利はあくまでスタート地点であり、将来的な金利は常に市場の動向に左右されます。

個人投資家が気をつけるべきポイント

変動10年は、保有し続けることで市場金利に追随できるメリットがありますが、短期売却には向きません。1年間は中途換金不可、その後も直近2回分の利子を返納するルールがあるため、資金拘束のリスクもあります。

また、市場金利が大きく動かなければ、金利の変化も限定的になります。期待ほどの利回りが得られない場合もあるため、他の金融商品との比較も大切です。

まとめ:発行時期が違っても金利は収束する可能性がある

変動10年国債は、半年ごとに金利が見直される仕組みのため、異なる発行時期でも将来的に金利が同じになるケースは十分にありえます。重要なのは、どのタイミングで発行されたかではなく、保有中の市場金利動向をしっかり把握することです。

安定性を重視しながらも、将来の金利上昇に備えたい人にとって、変動10年は有力な選択肢と言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました