新NISA制度の拡充により、多くの投資家が「一括投資」か「積立投資」かで悩む場面が増えています。特に2024年以降は年間240万円までの成長投資枠が用意され、資産形成における戦略がより柔軟に設計可能となりました。本記事では、240万円を一括で投資する方法と、毎月20万円ずつ積み立てる方法について、リスクやリターン、そして心理的な側面も踏まえて比較・解説していきます。
一括投資の特徴とメリット
一括投資とは、240万円を一度に市場に投入する方法です。この手法の大きなメリットは、「時間のメリットを最大限に活かせる」ことです。株式市場は長期的に右肩上がりを続けているため、早く市場に資金を投入することで、複利効果を早期に享受できます。
たとえば、過去20年間で年率6%の平均リターンがあった米国株式市場(S&P500)に240万円を一括投資した場合、20年後には約768万円まで増える可能性もあります(税引前・リターン一定と仮定)。
積立投資の特徴とメリット
一方、積立投資(毎月20万円ずつ12回に分けて投資する方法)は「ドルコスト平均法」とも呼ばれ、価格の変動を平均化できるメリットがあります。特に投資開始時期が市場の高値圏である場合、この方法はリスク低減に寄与します。
たとえば2022年のような下落相場の最中に積立投資をしていた人は、平均購入単価を下げることができ、後の回復局面で高い利益を出すことができました。
一括vs積立:リターンの観点から
歴史的データを見ると、7割以上の期間で一括投資が積立投資よりも高いリターンを出しています。しかし、これは「相場が右肩上がりである限り」の話です。もし投資直後に大きな下落が起きた場合、精神的なダメージは一括投資の方が大きくなりやすいです。
たとえばリーマンショックやコロナショックの直前に一括投資をしてしまった場合、大きな含み損を抱えることになります。積立であれば、そのような局面でも安く買い増しできるため、平均単価の調整が可能です。
心理的側面:投資初心者には積立が安心?
一括投資は「最初に全部決断」するため、投資経験が少ない人には心理的負担が大きいことも。積立なら「様子を見ながら投資を続ける」感覚で、相場に慣れるための良いステップになります。
また、毎月の入金タイミングで経済ニュースや相場状況に目を向ける習慣ができ、投資リテラシーの向上にもつながります。
具体例:2023年の投資パターンで比較
仮に2023年1月に240万円を一括投資した場合と、同年1月〜12月まで毎月20万円ずつ積立投資した場合を比較すると、2023年が上昇相場であったため、一括投資のほうがリターンは高くなる傾向でした。
しかし逆に2022年のように下落相場であれば、積立投資のほうが平均購入価格を下げることができ、有利に働いた可能性があります。
まとめ:自分の性格と市場観に合わせた選択を
「一括投資と積立投資、どちらが正解か?」という問いに絶対の答えはありません。重要なのは、自身のリスク許容度、投資経験、そして相場環境に合わせて判断することです。資金に余裕があり、長期目線での運用を前提とするなら一括投資は有効な手段です。反対に、相場の変動に敏感でメンタルに不安がある人は、積立投資の方が安心して継続できるでしょう。
最終的には、「継続できる投資手法こそが最も強い」という事実を忘れず、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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