株式を売却した際、多くの証券会社からは即時または当日中に「取引報告書(取引明細書)」が交付されます。売却価格や数量はもちろん、投資家が気になる「売却益」や「売却損」の金額が記載されるのかについては、意外と知られていません。本記事では、取引報告書の構成や記載内容を詳しく解説し、損益の確認方法、税務処理との関係についても紹介します。
取引報告書とは?株の売却後に交付される基本書類
取引報告書とは、株式の売買が成立した後に証券会社が投資家に交付する明細書類のことで、金融商品取引法に基づき交付が義務付けられている重要書類です。内容としては以下の項目が基本です。
- 約定日・受渡日
- 銘柄名・数量・単価・約定金額
- 手数料・税額・受渡金額
この書類には、取引そのものの明細が記載されており、売却益(または損)の金額そのものは通常「記載されない」点に注意が必要です。
売却益・売却損は取引報告書でわかる?
多くの証券会社の取引報告書では、「売却益」「売却損」としての確定金額は直接表示されません。報告書に記載されているのは、売却価格と手数料控除後の受渡金額までです。
つまり、売却益・損を知りたい場合は、投資家自身がその株式の取得価格(取得単価×数量)と売却価格を比較する必要があります。
損益を把握するための方法と確認手順
売却益・損の金額を確認するには、以下の方法が有効です。
- ①証券会社の「損益管理機能」:多くのオンライン証券では、年間損益や個別取引の損益を自動計算してくれる画面があります。
- ②年間取引報告書(特定口座):特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、年末に発行される年間取引報告書にて、すべての取引の損益がまとめられます。
- ③自作のエクセル等で管理:NISA口座や一般口座の場合、自分で取得価格と売却価格を記録して損益を管理する必要があります。
証券会社によっては、取引完了後すぐに「損益参考額」を画面上で確認できるサービスを提供している場合もあります。
特定口座と一般口座の違い:損益管理のしやすさに影響
特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、証券会社が取得価格を把握しているため、損益が自動計算され、税金も自動で引かれます。
一方、一般口座では、取得価格の管理が投資家に任されているため、売却損益を自分で計算して確定申告が必要になります。取引報告書はどちらの口座でも発行されますが、その活用のしやすさには差があります。
実例:取引報告書の見方
例)A社株100株を1,000円で売却、手数料100円、税金50円 → 受渡金額:99,850円。
取得価格が90,000円だった場合の売却益は、99,850円−90,000円=9,850円となります。報告書には「受渡金額」のみが記載されるため、取得価格は別途把握しておく必要があるのです。
まとめ:売却益・損は自動ではなく、管理と確認がカギ
株を売却した際の取引報告書には、売却益・売却損そのものは明記されないのが一般的です。投資家自身が取得価格と売却価格の差額を基に、損益を確認する必要があります。
特定口座を利用していれば証券会社側で損益管理がされており、年間取引報告書やオンライン画面で確認可能ですが、一般口座利用者は自己管理が必須です。正確な損益把握のために、売買履歴の整理と記録を習慣にすることが大切です。

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