NISA(少額投資非課税制度)の年間投資枠を使い切った後、次の投資手段として「一般口座」を検討する人は少なくありません。しかし、一般口座には特定口座(源泉徴収あり)と比較して明確なデメリットがいくつか存在します。本記事では、確定申告の手間や税金以外に見落としがちな一般口座の注意点を、実例を交えながら解説します。
一般口座と特定口座の違いを理解しよう
まず前提として、「一般口座」と「特定口座」の違いを理解しておくことが重要です。特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が年間取引報告書を作成し、税金の計算・納付まで自動で行ってくれます。
一方、一般口座ではこうしたサポートが一切なく、投資家自身が取引履歴から年間の損益を計算し、確定申告を行う必要があります。この点が最大の違いです。
確定申告の負担が重くなる可能性
一般口座を利用する上で最大のデメリットは、確定申告が非常に煩雑になるという点です。1年間の売買明細をすべて確認し、取得単価や売却価格、経費(手数料など)を整理して損益を算出する必要があります。
たとえば、複数の銘柄を頻繁に売買していた場合、1年分の取引履歴を集計して利益・損失を計算するだけで数時間〜数日かかることもあります。税務署への提出資料の不備によって、後日修正申告が求められるケースもあるため注意が必要です。
損益通算や繰越控除の活用が困難に
一般口座では、株式の売却損が発生しても、それを他の所得や特定口座との損益通算に使うには、正確な記録と確定申告が前提になります。
例えば、A社株で10万円の損失が出た場合、それをB社株の20万円の利益と通算して課税対象を減らすことが理論上は可能ですが、一般口座では申告漏れや計算ミスがあるとその恩恵を受けられません。また、翌年に損失を繰り越すためにも申告が必要です。
税務調査リスクが高まる可能性も
一般口座では、証券会社が税務署へ損益情報を報告する義務がないため、自己申告の正確性が問われます。このため、税務署側は申告内容に疑念を抱いた場合、調査対象にしやすくなるとも言われています。
特に利益が20万円を超えた場合は確定申告が必要であり、申告漏れが続くとペナルティ(加算税・延滞税)が課されることもあります。慎重な記録管理と申告が不可欠です。
実例で見る:一般口座の落とし穴
例えば、ある投資家が2024年に一般口座で年間30回以上の売買を行い、トータルで25万円の利益を上げたとします。この場合、確定申告が必要となりますが、売買履歴を確認したところ、一部の取得価格や手数料の記録が不完全で、正確な利益計算ができず、結果として申告漏れに。
後日税務署から連絡が入り、追加で税金の納付と延滞税が課された…というケースも実際に発生しています。こうした事態を防ぐには、日頃から取引記録を丁寧に残す必要があります。
まとめ:一般口座の利用は慎重に
一般口座は、NISAや特定口座の枠が使えない場合の選択肢としては有効ですが、手間とリスクが大きいというデメリットがあります。特に以下の点に注意しましょう。
- 取引履歴の記録と保存を徹底する
- 利益が20万円を超える場合は必ず確定申告を行う
- 損益通算や繰越控除を活用するためにも正確な集計が必要
税務上のトラブルを避けるためにも、できるだけ特定口座(源泉徴収あり)を利用するか、一般口座を使う場合でも記帳と申告の体制を万全にしておくことが重要です。

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