FXや株式などの裁量トレードにおいて「週をまたぐポジション保有」は、リスクと利益の両面で大きな判断を要します。特に為替市場では、土日中の地政学的イベントや要人発言によって、週明けに大きなギャップが発生することも珍しくありません。本記事では、週またぎでポジションを保有する際の損切り幅設定や実際のトレーダーの対応例を紹介します。
なぜ週またぎはリスクが高いのか
為替市場は平日24時間開いていますが、土日は市場が閉まっています。この間に発表される経済ニュースや政治的出来事(例:米大統領の発言、選挙結果、自然災害など)は、週明けのオープン時にギャップ(窓)となって価格に反映されることがあります。
たとえば、土日に突発的な円高要因が出た場合、週明けに数円規模でレートが飛ぶ可能性も。こうなると通常のストップロス(損切り注文)は効かず、想定以上の損失を被るリスクがあります。
裁量トレーダーはどう損切り幅を設定しているか
一般的に日足以上の長期足を基準にトレードする裁量トレーダーは、以下のように損切り幅を設定しています。
- ドル円:50~150pips
- ユーロドル:80~200pips
- 週またぎ時:300pips超を想定することも
これは単純なチャート分析だけでなく、リスクリワード比、週末のイベントカレンダー、ポジション量などを加味して決定されます。
節目被りとチャートパターンの組み合わせ
トレードにおいて「節目(レジスタンス・サポートライン)」とチャートパターン(ダブルトップ・ボトムなど)の重なりは重要なシグナルです。
たとえば、日足の節目レジスタンスでダブルトップが形成された場合、「ここでの反発は強いだろう」という市場の心理が働きやすく、エントリーや損切り幅の根拠が明確になります。逆に節目をブレイクした際の損切り幅は広く取る必要があります。
リスク回避の実例:ギャップ対策
リスク管理に優れたトレーダーは以下のような対策を行っています。
- 週末前にポジションを一部または全て解消する
- 小ロットでの週またぎ(ギャップ対策)
- オプションヘッジを併用する(上級者向け)
ある中堅トレーダーは、「週またぎは想定以上の変動が起こるもの」と割り切り、エントリー時点で『ストップ幅200pips以内なら保有可』とルール化していました。
経済イベントカレンダーを活用する
週末前にチェックすべき情報として以下があります。
- Investing.com 経済指標カレンダー
- 要人発言予定(例:FOMC議事録、G7会合など)
- ポジション偏り状況(IMMポジションなど)
「金曜にパウエル発言あり」といった事前情報を把握していれば、リスク回避策も事前に講じやすくなります。
まとめ:週またぎの損切り幅は“資金管理”と“戦略設計”次第
週またぎでポジションを保有する際の損切り幅は、単なるテクニカル判断ではなく、総合的なリスクマネジメントの一環として設計すべきです。自身のトレードスタイルや資金量、イベントリスクをふまえたうえで「どこまで損を許容できるか」を見極めることが勝敗を分けます。
最後に、ストップ幅の設定以上に重要なのは、「損切りを受け入れる覚悟」です。週またぎをするなら、土日のニュースも含めてマーケットを観察し続ける姿勢が求められます。

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