トレードにおいて「エントリーを厳選するべきか?」「それとも回数を増やして期待値を積むべきか?」という議論は、初心者から上級者まで誰もが一度は悩むテーマです。この記事では、勝率・ロットサイズ・資金管理といった視点から、エントリー戦略の考え方を整理していきます。
エントリーを厳選すると何が変わるのか?
「エントリー厳選」とは、明確な根拠がある“勝てる確率の高い場面”だけに絞ってトレードするスタイルです。これは当然、エントリー回数が大幅に減ります。
たとえば、1日30チャンスがあっても、厳選すればそのうち1〜2回しかエントリーしないこともあります。その代わり勝率は70〜80%になることもあり、一回一回の精度は高くなりやすいという特長があります。
厳選スタイルではロットを上げるべきか?
高勝率で期待値がプラスと確信できるなら、ロットをある程度上げる戦略は理にかなっています。ただし、連敗時の損失に耐えられる資金設計が前提です。
例えば、資金100万円で1回の損切りを1万円に設定している場合、ロットを上げて1回で3万円負ける構造にすると、3連敗で資金の9%が吹き飛びます。このため、「勝てるとわかっているからロットを上げる」のではなく、“負けたときに耐えられる金額”から逆算してロットを決めるべきです。
回転型スタイルの利点とリスク
一方で「エントリー回数を増やす」スタイル、いわゆる回転型・期待値積み上げ型トレードは、勝率55〜60%でも資金を増やすことが可能です。その代わり、資金管理の厳密さが要求されます。
この戦略では1回あたりのリスクを極小にし、勝ちと負けを繰り返しながら、コツコツと利益を積み重ねます。たとえば、勝率57%・リスクリワード1:1で1日20回トレードすれば、期待値的にはプラスになります。
どちらが儲かる?ロジックと性格で選ぶべき
「どちらが正解か」ではなく、自分の性格・時間・得意な相場環境に合わせて選ぶのが最も重要です。
- 厳選型が向いている人:長時間チャート監視ができない/待つのが苦でない/負けを極端に嫌うタイプ
- 回転型が向いている人:フットワーク軽く売買できる/感情の波が小さい/資金管理に自信がある
たとえば、厳選型で週3回のエントリーしかなくても、精度が高ければ十分に利益は狙えます。逆に、1日100回以上エントリーしても勝率が49%しかなければ、手数料・スリッページ負けする可能性もあります。
実例:期待値と戦略の違い
タイプ | 勝率 | 平均利益 | 平均損失 | 期待値 |
---|---|---|---|---|
厳選型 | 80% | +1.2% | -0.6% | 0.72% |
回転型 | 57% | +0.6% | -0.6% | 0.06% |
期待値は小さく見えますが、取引回数によって結果は大きく異なります。どちらも継続とルール遵守がカギになります。
まとめ:どちらのスタイルでも「資金管理」が肝
エントリーを超厳選するか、回数を増やすかは、トレードスタイルの違いにすぎません。大事なのは、自分のスタイルに合った資金管理とリスク許容度を理解し、ルールを守ることです。
「勝率が高いから大きく張る」ではなく、「負けたときに退場しない構造を作る」ことが長期的に生き残るための鍵です。トレードは“ゲーム”ではなく“事業”であるという意識を持つことが、最終的な成功につながります。

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