債券投資において、市場金利の変動が債券価格に与える影響を理解することは非常に重要です。金額デュレーションや修正デュレーションという概念を使えば、金利変動に対する債券価格の感応度を計算することができます。この記事では、債券の金額デュレーションと修正デュレーションについて、具体的な計算方法とともに解説します。
債券の金額デュレーションとは?
金額デュレーション(Macauley Duration)は、債券の価格が市場金利の変動にどれだけ敏感かを測る指標です。金額デュレーションが長いほど、金利変動による価格の変動が大きくなります。この値を使って、金利の変動が債券価格に与える影響を予測することができます。
例えば、金額デュレーションが2300の場合、この債券の価格は金利が1%変動するごとに2300円程度変化するということになります。このように、金額デュレーションは価格変動の予測に役立つ指標です。
金額デュレーションを使った価格変動の計算
金額デュレーションを使用することで、金利の変動が債券価格に与える影響を計算できます。価格の変化は、金額デュレーションと金利変動を掛け合わせることで求められます。以下の式で計算できます。
価格変動 = - 金額デュレーション × 金利変動
ここで、金利が0.5%低下した場合の債券価格の変動を計算してみましょう。金額デュレーションが2300、金利変動が-0.5%(金利が0.5%低下)ですので、価格の変動は以下のように求められます。
価格変動 = - 2300 × (-0.5%) = 11.5円
したがって、市場金利が0.5%低下した場合、債券の価格は11.5円上昇することになります。
修正デュレーションとは?その定義と計算方法
修正デュレーション(Modified Duration)は、金額デュレーションを基にした指標で、債券価格の金利感応度をさらに詳しく測るものです。修正デュレーションは、金額デュレーションを割引率で調整したもので、金利変動に対する債券価格の感応度を短期的な視点で示します。
修正デュレーションは次の式で計算できます。
修正デュレーション = 金額デュレーション / (1 + 市場金利 / 100)
ここで、市場金利は通常パーセントで表されます。たとえば、金額デュレーションが2300、現在の市場金利が1%である場合、修正デュレーションは以下のように計算されます。
修正デュレーション = 2300 / (1 + 1% / 100) = 2300 / 1.01 ≈ 2277.23
つまり、この場合の修正デュレーションは約2277.23となります。
修正デュレーションの計算:金利低下後の変化
修正デュレーションを使って、金利変動後の価格変動をさらに精密に計算することができます。ここでは、市場金利が0.5%低下した場合に修正デュレーションを再計算し、債券の価格の変化を予測します。
再度、金額デュレーションが2300で、金利が0.5%低下した場合、修正デュレーションは次のように計算されます。
修正デュレーション = 2300 / (1 + (-0.5%) / 100) = 2300 / 0.995 ≈ 2313.06
したがって、修正デュレーションは約2313.06となります。この修正デュレーションを使うことで、金利変動に対する債券価格の感応度を、より正確に測定することができます。
まとめ:デュレーションと金利変動の理解
債券投資における金額デュレーションと修正デュレーションは、市場金利の変動が債券価格に与える影響を理解するための重要な指標です。金額デュレーションは、金利が変動することで債券の価格がどれだけ変化するかを予測しますが、修正デュレーションはこれをさらに精緻化し、金利変動に対する価格感応度をより正確に測定することができます。
金利が0.5%低下した場合、金額デュレーションを使うことで価格が約11.5円上昇すると計算され、修正デュレーションを使うことで金利変動後の価格感応度を正確に計算することができます。これらの概念をしっかり理解しておくことで、債券投資のリスク管理に役立つでしょう。
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