トランプ政権と為替相場の関係を読み解く|円高再来の可能性はあるのか?

外国為替、FX

2024年の米大統領選が近づく中、トランプ前大統領の再選が注目を集めています。為替相場に関心のある投資家にとっては「もしトランプ氏が再び大統領になったらドル円はどう動くのか?」という問いが気になるところです。前回のトランプ政権時代(2017〜2021年)のドル円の動きとその背景、そして第2次政権誕生時の為替見通しについて検討します。

前回政権時のドル円相場は本当に円高だったのか?

トランプ政権期(2017年1月〜2021年1月)のドル円相場を振り返ると、実は一貫して円高が進んだというよりも、レンジ相場に近い形で推移していました。

2017年初頭には115円台でスタートし、2018年には105〜114円の範囲で上下を繰り返し、2020年のコロナショックでは一時101円台まで下落。その後は110円付近まで戻しましたが、大きなトレンドとしてはやや円高基調が意識されていました。

背景としては以下のような要因があります。

  • アメリカの通商政策によるドル安圧力(ドル安政策を好む発言)
  • 米中貿易摩擦の長期化
  • 安全資産としての円買い需要(地政学的リスクの高まり)

トランプ氏の為替観:ドル安志向は継続するか

トランプ氏は前政権時代、繰り返し「ドル高は米企業の競争力を損なう」と発言しており、ドル安志向が強い大統領と見なされていました。

そのため、もし第2次政権が誕生すれば、再び貿易赤字是正や関税政策などを通じてドル安を誘導する政策を取る可能性があると考えられています。

また、米国経済が堅調な一方で「インフレ抑制」と「金利引き下げ」が進めば、それもまたドル安・円高を促す材料になり得ます。

ただし、金融政策の影響も無視できない

為替は大統領だけで動くものではありません。特に注目すべきは中央銀行(FRB)と日本銀行の金融政策です。以下のようなポイントが影響します。

  • 米国の利下げが進めばドル安要因
  • 日本が金融緩和を終了し、金利を引き上げれば円高要因

現在は日本も長期的に低金利からの転換が議論されており、日米金利差が縮小することによる円高圧力が生じる可能性があります。

第2次トランプ政権で円高になる可能性は?

結論から言えば、「円高になる可能性は十分ある」が、「確実に円高になる」とは言い切れません。その理由は以下の通りです。

  • トランプ氏が再びドル安誘導を行う可能性が高い
  • ただし、FRBの金利政策や市場のリスクオフ姿勢も影響する
  • 米国経済が想定以上に好調で金利が高止まりすれば、円安の可能性もある

例えば、2025年にトランプ政権が発足し、同時にFRBが利下げを実施、日銀が追加引き締めを行えば、ドル円は110円以下への下落も視野に入るでしょう。一方で、世界的なリスク回避姿勢が強まれば、一時的に円買いが進むケースもあります。

まとめ:為替相場は多因子で動く、トランプ再選だけで判断しない

第2次トランプ政権が誕生した場合、前政権と同様にドル安政策が展開される可能性が高く、その意味で円高バイアスは意識されやすいでしょう。

しかし、為替は大統領の意向だけで動くものではなく、金利差、経済指標、地政学的リスク、投資マネーの動きなど、複数の要因が交錯して決まります。

投資判断を行う際には、短期的な政治イベントだけでなく、中長期的な経済・金融のファンダメンタルズを見据えることが重要です。

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