将来使う予定がある資金の運用では、「どこまでリスクを取れるか」「安定性と利回りをどう両立させるか」が大きな判断材料になります。この記事では、200〜300万円の資金を10年以内に使う前提で、①米国ゼロクーポン債と②日本高配当ETF(1489)という2つの選択肢について、それぞれの特徴、リスク、利回り、税制の違いを解説しながら、どちらがどのような人に向いているかを検討していきます。
選択肢①:米国ゼロクーポン債の特徴とメリット・デメリット
ゼロクーポン債は、利息が定期的に支払われるのではなく、満期時に元本+利息を一括で受け取る仕組みです。米国債は信用度が高く、利回りが確定しているため、長期的な資金確保に向いた商品と言えます。
例えば、10年後に200万円を受け取りたい場合、現在の利回りが4%程度であれば、おおよそ133万円前後の投資で済みます。しかし、以下の点に注意が必要です。
- 償還時の為替リスク(円安円高によって元本が変動)
- NISAの非課税対象外のため、利息部分に税金(約20.315%)がかかる
- 中途換金時の価格変動リスクがある(途中売却すると損する可能性あり)
選択肢②:日本高配当ETF(1489)の特徴とメリット・デメリット
1489は「NEXT FUNDS 日経高配当株50ETF」と呼ばれる日本の高配当株に分散投資するETFです。利回りは年3.5〜4.5%前後(変動あり)で、株価の変動リスクはあるものの、分配金収入を狙える投資手法です。
主なメリットは以下の通りです。
- NISA枠での購入が可能 → 分配金・売却益が非課税になる
- 為替リスクが無い(日本円建て)
- 分配金を毎年受け取れるため、途中で使いたい時に取り崩しやすい
ただし、以下のようなデメリットもあります。
- 配当利回りは確定ではない(景気・企業業績に左右される)
- 株価が下がれば元本割れの可能性もある
- 長期保有に向いているが、10年以内に使う場合はタイミングに注意
利回りと税制面での比較
項目 | 米国ゼロクーポン債 | 日本高配当ETF(1489) |
---|---|---|
期待利回り | 約3.5〜4.5%(固定) | 約3.5〜4.5%(変動) |
為替リスク | あり | なし |
税制 | 課税(20.315%) | NISAなら非課税 |
途中換金 | 不可または不利 | 市場で売却可能 |
税引後の実質利回りで見ると、非課税メリットのあるETF(NISA口座)が有利になる場面も多いです。
どちらがどんな人に向いているか
- 米国ゼロクーポン債が向いている人:満期まで一切手をつけず、確定した金額を10年後に受け取りたい人/為替リスクを許容できる人
- 日本高配当ETFが向いている人:分配金を受け取りながら柔軟に運用したい/税制優遇を活かしたいNISA投資家/円資産で管理したい人
「絶対使わない資金」なのか「途中で使うかもしれない資金」なのかで選択肢は変わってきます。
まとめ:目的に応じた選択がカギ
200〜300万円の運用を10年以内に予定している場合、「為替リスクを取ってでも利回りを優先する」なら米国ゼロクーポン債が有力です。一方、「税制優遇と柔軟性」を重視するなら、日本高配当ETF(NISA枠)という選択肢が現実的です。
どちらも一長一短がありますが、大切なのは「そのお金をいつ・どう使いたいか」という目的の明確化です。分散投資として両者を組み合わせるのも選択肢として有効です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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