銀行からネット証券へつみたてNISA口座を変更する際の注意点と非課税枠の扱いについて解説

資産運用、投資信託、NISA

つみたてNISA(新NISA制度)の開始により、投資を始める方が増えています。しかし、はじめに銀行でNISA口座を開設したものの、より多くの銘柄が選べるネット証券に移行したいという声も少なくありません。本記事では、すでに積立済みの資産を持っている状態でネット証券に移す場合の注意点や、非課税枠1,800万円の扱いについてわかりやすく解説します。

つみたてNISA口座は1人1口座まで

日本のNISA制度では、1人につき1つの金融機関にしかNISA口座を持てない決まりがあります。そのため、銀行からネット証券に変更するには、金融機関変更手続きを行う必要があります。

この変更は、所轄の税務署への申請と認可が必要となるため、数週間から1ヶ月程度の時間がかかる点に注意が必要です。

すでに積立した分はどうなる?

銀行で積み立てた100万円分の資産は、ネット証券に移すことはできません。金融機関を変更した場合でも、すでに積み立てた商品はそのまま銀行の管理下で運用され続けます。ただし、非課税のまま運用は継続され、売却時の利益にも税金はかかりません。

つまり、過去の積立資産と新たにネット証券で積立する資産は、別々に管理されることになります

非課税枠1,800万円の計算はどうなる?

新NISAでは生涯での非課税投資枠として1,800万円(成長投資枠とつみたて投資枠の合算)が設けられています。このうち、実際に使用した金額はすべて合算されます。

たとえば、すでに銀行で100万円を積み立てている場合、ネット証券では残りの1,700万円分が新たに非課税枠として利用可能ということになります。これは金融機関が異なっていても一貫して税務署側で管理されているため、重複して利用することはできません。

金融機関変更の流れ

銀行からネット証券にNISA口座を変更するには、以下の手続きが必要です。

  • 現在の銀行から「勘定廃止通知書」を取り寄せる
  • ネット証券でNISA口座開設の申し込みを行い、「非課税口座開設届出書」と共に提出
  • 税務署の審査を経て、ネット証券でのNISA口座が利用可能になる

この手続きは年単位でしかできないため、年内に変更したい場合は早めの対応が必要です。

変更前に知っておきたい注意点

ネット証券へ移行するメリットは、商品ラインアップの豊富さや手数料の低さです。ただし、以下の点に注意しましょう。

  • 途中で変更した場合、その年の非課税枠が使えなくなる可能性がある
  • 変更した年に旧金融機関で積立をしていた場合、その年は新しい金融機関でのNISA投資はできない
  • 非課税枠の二重利用はできないため、過去分もカウントされる

スムーズに移行したい場合は、変更前の金融機関での積立を一度ストップし、翌年からネット証券での積立を始めるといった方法もあります。

まとめ:金融機関変更後も非課税枠は一元管理される

銀行からネット証券にNISA口座を変更した場合、これまでの積立分はそのまま銀行に残り、新たな積立はネット証券でスタートします。非課税枠は1,800万円までとされており、過去の積立分も含めて合算されるため、使った100万円分を差し引いた1,700万円がネット証券で利用可能です。制度の仕組みを理解し、より効率的に資産運用を行いましょう。

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