金融経済学において「資産価格」や「実質利子率」といった概念は、投資判断やマクロ経済の理解において極めて重要なキーワードです。この記事では、2つの基礎的な問題を例に、名目利子率と配当から株価を導く考え方、および期待インフレ率を考慮した実質利子率の求め方について、わかりやすく解説します。
資産価格のファンダメンタルズ:名目利子率から株価を計算
まず1つ目の問題は、「名目利子率が5%、配当が年500円の株式の妥当な価格はいくらか?」という内容です。これは資産価格の基本理論に基づいて考えます。
資産価格のファンダメンタルズでは、次の式が用いられます。
株価 = 1年後の配当 ÷ 名目利子率
したがって、500円 ÷ 0.05 = 10,000円 が理論的な株価となります。正解は「1. 10,000円」です。
この考え方は、将来得られるキャッシュフローを現在価値に割り引いて求める「DCF(Discounted Cash Flow)」にも通じます。
実質利子率の求め方:名目利子率から期待インフレ率を引くだけ
次に、「名目利子率4%、期待インフレ率2%のとき、実質利子率はいくらか?」という問題を見ていきましょう。
この場合に使うのは「フィッシャー方程式」と呼ばれるものです。簡易版として、以下の式が一般的に使われます。
実質利子率 ≒ 名目利子率 − 期待インフレ率
つまり、4% − 2% = 2%。答えは「3. 2%」になります。
これは「お金の見かけの増加率(名目)」から「物価の上昇率(インフレ)」を引くことで、実際にどれだけの購買力が増加したのかを示す考え方です。
計算式を図式化すると理解しやすい
理解を深めるには、図やフローチャートを活用するのもおすすめです。
- 名目利子率:銀行預金の金利表示
- 期待インフレ率:将来の物価上昇の見通し
- 実質利子率:インフレを差し引いた実質的な利回り
この関係性を視覚的に整理しておくことで、より直感的に数値の意味がわかるようになります。
このような問題が問う経済的思考とは?
これらの問題は、単なる数学の計算ではなく、「資産の価値をどう評価するか」「インフレが資産のリターンにどう影響するか」といった経済的な視点を養うことが目的です。
たとえば、同じ500円の配当でも、利子率が3%なら株価は16,666円、利子率が10%なら5,000円に下がるといったように、資産の評価は割引率次第で大きく変わることがわかります。
まとめ:基礎理論を押さえると投資判断も変わる
資産価格や利子率の考え方は、投資の判断にとって非常に大きな武器になります。この記事で紹介した
- 株価 = 配当 ÷ 名目利子率
- 実質利子率 = 名目利子率 − 期待インフレ率
という2つの基本式は、投資や経済学における土台となるものです。初心者の方も、この基本を身につけることで、より合理的な判断ができるようになるでしょう。

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