マクロ経済学において、物価指数の計測にはライパレス(Laspeyres)指数とパーシェ(Paasche)指数が代表的な手法として用いられています。特に固定基準年方式での価格指数の関係を理解するには、加重平均・共分散・相関係数といった統計的概念も押さえる必要があります。本記事では、これらの構造と、具体的な数式に登場する記号の意味を語群の中から紐解いていきます。
ライパレス価格指数と数量指数の定義
基準時点の支出シェアを用いたウェイト wi0
は次のように定義されます。
wi0 = (Pi0 * Qi0) / Σ(Pi0 * Qi0)
これを用いて、ライパレスの価格指数 PL
および数量指数 QL
は次の加重平均で表されます。
PL = Σ(wi0 * Pit / Pi0)
QL = Σ(wi0 * Qit / Qi0)
これは、基準年の構成比をもとに、時点tにおける価格・数量の変化を加重平均していることを意味します。
パーシェ指数とその変形
パーシェの価格指数 Pp
は、時点tの数量をもとに加重された価格指数であり、次のように表現されます。
Pp = Σ(Pit * Qit) / Σ(Pi0 * Qit)
この式は変形可能で、次のように導けます。
Pp = (1/a) * Σ(Pit/Pi0 * Qit/Qi0)
ここで a = Σ(Qit/Qi0)
、すなわちQLであるため、a = QL となります。
共分散と相関係数の導出
次に、Pit/Pi0
と Qit/Qi0
の共分散 sPQ
を考えると。
sPQ = Σ((Pit/Pi0 - PL) * (Qit/Qi0 - QL))
これは統計学的な共分散の定義に基づき、以下のように変形されます。
sPQ = b * (c - PL)
ここで。
b = 1
(加重平均と仮定)c = Pp
したがって、共分散は sPQ = Pp - PL
となります。
PLとPpの関係式の構造
最後に求めるべき式。
(Pp - d) / PL = r * (sP * sQ) / (PL * e)
この関係式に語群を代入すると。
- d = PL
- e = QL
したがって、式全体は。
(Pp - PL) / PL = r * (sP * sQ) / (PL * QL)
このように、パーシェ指数とライパレス指数の差は、相関係数や標準偏差の積によって説明される構造となっています。
まとめ:語群と記号の対応
記号 | 意味 | 語群からの対応 |
---|---|---|
a | QL(ライパレス数量指数) | QL |
b | 1(単純共分散係数) | 1 |
c | Pp(パーシェ価格指数) | Pp |
d | PL(ライパレス価格指数) | PL |
e | QL | QL |
このように、指数間の関係を統計的視点から捉えることで、複雑に見える式も理解しやすくなります。価格指数の数学的構造を理解することは、マクロ経済の分析力を高める一助となるでしょう。

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