新NISA制度では「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方で同一の投資信託(例:S&P500)を選ぶことが可能です。ところが、同じ商品を選んでいても、運用益に差が出ることがあります。この記事では、その理由を具体的な要因ごとに解説します。
新NISAの基本:積立枠と成長枠の違いとは?
まずは制度の違いを理解しておきましょう。つみたて投資枠は、長期・分散・積立に適した商品が対象で、毎月の定期的な買付が前提です。一方、成長投資枠は、スポット購入や幅広い商品選定が可能で、自分の判断で柔軟に購入できます。
つまり、同じS&P500に投資していたとしても、購入のタイミングや頻度、金額が異なれば、当然運用益も変わってくるというわけです。
購入タイミングの違いが最大の要因
たとえば、積立枠で毎月一定額ずつ買い付けている場合、価格が高いときも安いときも均等に購入する「ドルコスト平均法」が機能します。
一方で、成長枠では一括購入した可能性があり、もしそのタイミングが市場高値圏だった場合、同じS&P500でも運用益が低くなることがあります。これはごく自然な現象です。
購入金額や回数の違いも影響
つみたて枠では年120万円(毎月10万円)など、定期的に金額を分散する投資が行われている一方、成長枠ではその年に1回きりしか買っていない、あるいは不定期なタイミングで購入している場合があります。
たとえば、積立枠は昨年の株安時期に始めていたため利回りが高いが、成長枠は最近購入したためまだ含み益が小さい、というケースもよくあります。
運用開始時期の差にも注意
積立枠と成長枠で、購入開始日が異なる場合も、運用益の差に直結します。S&P500は短期的に10%近く上下することも珍しくありません。
たとえば、2023年末に成長枠で購入した場合と、2022年中の安値から積立していた場合とでは、含み益にかなりの差が出て当然です。
商品が「同じように見えて違う」可能性
また、まれに「S&P500連動型」と称していても、運用会社や為替ヘッジの有無によってパフォーマンスが違うケースがあります。
例えば「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「SBI・V・S&P500インデックス」は中身は似ていても、為替の影響や信託報酬の差で、短期的にパフォーマンス差が出ることもあります。
まとめ:焦らず、継続こそが投資の力
新NISAで同じS&P500を選んでいても、購入時期・タイミング・購入頻度・金額・商品仕様などによって、運用益にはどうしても差が出ます。
大切なのは短期の数字に一喜一憂するのではなく、長期的な視点でブレずに投資を継続することです。時間の分散と積立の効果が、やがて資産形成の大きな力になります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント