FXやCFDなどの投資を始めると、必ず目にする用語のひとつが「スプレッド」です。しかし「スプレッドって結局、エントリーと決済の両方で損するの?」と疑問に思う方も少なくありません。この記事では、スプレッドの基本的な仕組みから実際の取引における影響まで、初心者にもわかりやすく解説します。
スプレッドとは?簡単に言えば「買値と売値の差」
スプレッドとは、金融商品の「買値(Ask)」と「売値(Bid)」の差額を指します。この差が実質的な手数料のような役割を果たしており、スプレッドが狭ければ狭いほど取引コストは小さくなります。
たとえば、USD/JPYのスプレッドが0.2銭であれば、買った瞬間に0.2銭分の含み損が出るということです。つまり、買った価格よりも0.2銭上昇しないと利益が出ない状態からスタートするわけです。
スプレッドはエントリー時点で1回発生する
多くのトレーダーが誤解しやすいのが、「スプレッドは取引のたびに2回(エントリーと決済)かかるのか?」という点です。
実際には、スプレッドはポジションを建てた(エントリーした)時点で1回だけコストとして反映されます。ポジションを保有している間は、常に「Bid(売値)で評価」されるため、建てた瞬間からスプレッド分のマイナス評価が発生するのです。
決済時に再びスプレッドが発生するように見える理由
決済のときには「そのときの市場価格」で売買されるため、再度スプレッドが絡んでくるように感じるかもしれません。しかし、それは取引価格のズレであり、新たにコストとして課金されるわけではありません。
実質的には、買って→売る(または売って→買い戻す)という一連の取引の中で、「1つのスプレッド」が存在しているだけです。
実例:USD/JPYでの具体的な取引イメージ
たとえば、USD/JPYのスプレッドが0.2銭で、Askが145.802、Bidが145.800だったとします。あなたが買い注文を出すと、145.802で約定し、その時点での評価価格は145.800です。つまり、建てた瞬間に0.2銭のマイナスが出ています。
その後、価格が上昇してBidが145.822になったとき、あなたが決済すれば、差し引きで+2.0銭の利益になります。この評価はあくまで「Bid価格」に基づいてなされるため、途中で再度スプレッドを支払うわけではありません。
スプレッドが広がるケースとその影響
以下のような場面ではスプレッドが通常より広がることがあります。
- 重要経済指標発表直後
- 市場の流動性が極端に低い早朝・深夜
- 地政学リスクや災害発生時
こうしたタイミングでは、建てた瞬間の損失が大きくなりやすいため、リスク管理に注意が必要です。
まとめ:スプレッドは1回分のコストだが、実感としては2回分に見える
スプレッドは取引のエントリー時に1回だけ発生するコストであり、決済時には追加で課金されるわけではありません。ただし、Bid/Askの概念が実際の取引感覚ではわかりにくいため、「建てた瞬間からマイナス評価になる」ことが2回コストがかかっているように感じられるのです。
この仕組みを理解しておくことで、取引コストや損益計算がより正確にできるようになり、戦略的なトレードが可能になります。

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