「為替介入した数兆円が消えた」といった話を耳にして疑問を持った方も多いのではないでしょうか。2022年に話題となったひろゆき氏の発言をきっかけに、「本当にそんなことが起こるのか?」「為替介入ってお金を溶かすことなの?」と気になった方も多いはずです。本記事では、為替介入の基本構造と「お金が消えた」とされる背景について、初心者にもわかりやすく解説します。
為替介入とは?政府と日銀が行う為替レートの調整策
為替介入とは、政府(財務省)が為替レートの急変動を抑えるために、日銀を通じて市場に介入する行為を指します。
たとえば急激な円安が進行した際、政府は「円買い・ドル売り」介入を行うことで円相場を安定させようとします。2022年9月・10月の為替介入では、1回あたり3兆円超という巨額が市場に投入されました。
「介入額が消えた」と言われるのはなぜか?
ひろゆき氏が話題にした「介入額が消えた」というのは、介入に使った金額が為替レートを十分に安定させる効果を持たなかったことを、やや誇張して表現したものと考えられます。
実際、2022年10月21日に行われた為替介入では約6兆円が投入されましたが、その後も円安が進行したことから「効果が薄い=無駄だった」「消えたようなもの」といった受け止め方がされたのです。
介入資金はどこから出て、どこへ行くのか
日本が「円買い・ドル売り」の介入を行う場合、過去に積み上げた外貨準備(主に米ドル)を売却し、その対価として円を買い戻します。つまり、ドル資産が減り、円が日本に戻ってくる構造です。
このとき、介入は為替市場で行われるため、その資金は他の市場参加者に流れます。国がドルを売れば誰かがそれを買い、その分の円は国の手に戻る形です。決して「どこかに消える」わけではなく、ただし為替レートへの影響が一時的であった場合、「効果がなかった」と見なされるのです。
為替介入が“無駄”に見える理由
介入は短期的なショック緩和には効果がありますが、根本的な円安の要因(例えば金利差・経済力格差)を解消するものではないため、長期的なトレンドに逆らう形になると、すぐに元の為替水準へ戻ってしまいます。
このように「一時的な効果にとどまる」と、巨額を投じた介入でも「無駄だった」「意味がなかった」「お金が消えた」といった批判につながるのです。
実際に“失敗した”とされた為替介入の例
過去にも「失敗」とされる為替介入はありました。特に有名なのが2011年の円高局面での連続介入です。数十兆円規模の介入が行われましたが、為替レートはすぐに円高に戻ってしまいました。
一方で、財務省の介入履歴を見ると、一定の成果を挙げている介入も存在するため、すべてが「失敗」だったわけではありません。
まとめ:「消えた」わけではなく、「効果が薄かった」だけ
為替介入で使われた資金が「消える」ことはありませんが、介入後の為替レートが想定通りに動かなければ「意味がなかった」「失敗だった」と見なされがちです。
ひろゆき氏の発言はやや表現が極端ですが、本質的には「巨額を使った割に為替が戻ってしまった」状況を指摘していると受け取るのが正しい理解です。
為替介入は万能な政策ではなく、経済全体のファンダメンタルズ(基礎的条件)とのバランスの中で効果が左右されるのです。

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