株式投資で含み益が出てくると、「一部売却して恩株化すべきか」「このまま持ち続けて配当を狙うべきか」といった悩みは多くの投資家に共通するテーマです。特に高配当銘柄では、長期保有によるインカムゲインと利益確定のタイミングのバランスが重要になります。
そもそも「恩株」とは?
恩株とは、取得時に買った株を一部売却して利益を確定し、残りの株を“タダ同然”で保有している状態を指します。たとえば、1株1,000円で1,000株を買って、株価が1,500円に上昇した段階で600株を売却すれば、残り400株分の元本を回収して恩株にすることができます。
この手法は心理的に「リスクゼロ」で保有できるという安心感があり、長期の配当狙いと相性が良いとされています。
高配当株を恩株化するメリットとデメリット
メリット:
- 元本を回収することで、実質リスクを軽減できる
- 残った株を長期保有することで、配当を受け続けられる
- 市場が急落しても精神的ダメージが小さい
デメリット:
- 成長性のある銘柄を手放すことで、将来的なキャピタルゲインのチャンスを逃す
- 売却による課税(利益の20.315%)が発生する
- 銘柄によっては、今後減配・業績悪化のリスクが残る
売却して恩株にする?持ち続けて配当狙い?判断基準はこれ
判断のポイントは以下の通りです。
- 配当利回り:今後も安定した高配当が期待できるか
- 企業の成長性:長期で持つ価値がある企業か
- 株価の水準:今が売り時か、まだ伸びる余地があるか
- 資産配分:その銘柄に過度に偏っていないか
たとえばJT(2914)や三菱UFJ(8306)のように、配当利回りが高く業績も安定している企業は長期保有でもメリットがあります。一方で、株価が急騰し過ぎた場合や、業績に不透明感が出てきた場合は一部利益確定も選択肢に入ります。
実例で見る:恩株化と長期保有の判断
例:Aさんは4月の調整時に三菱HCキャピタル(8593)を1株650円で1,000株購入し、現在株価が950円に上昇。600株を売却すれば含み益18万円を確定しつつ、残り400株は恩株として保有可能。この銘柄の配当利回りが4.5%なら、年間7,000円以上の配当を「リスクゼロ」で受け取れる形になります。
一方、Bさんはオリックス(8591)を売却せずに保有し続けて配当と株主優待を狙った結果、数年で含み益と配当を両方享受できたケースもあります。
配当利回りに惑わされない!冷静なファンダメンタル分析を
高配当だからといって、必ずしも保有が正解とは限りません。配当性向が100%を超えている企業や、営業利益が赤字なのに無理して配当を出している企業は要注意です。
財務諸表や四季報などで、配当の「持続性」と「企業体力」をしっかり確認しましょう。
まとめ:どちらも「正解」になる可能性がある
恩株戦略と高配当長期保有のどちらが正解かは、その人の投資スタイルと目的によって変わります。キャッシュを得てリスクを減らしたいなら恩株化、長期で資産を育てたいなら配当重視でのホールドも有力です。
「正解はひとつではない」からこそ、自分の目標やリスク許容度を明確にし、戦略を練ることが成功への鍵となります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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