信用評価損があっても現金で株は買える?信用取引と保証金の仕組みをわかりやすく解説

株式

信用取引を行っていると、「保証金」「建玉評価損益」「信用余力」など複雑な用語が絡み、混乱しやすい場面があります。たとえば、信用取引で評価損が60万円出ているにもかかわらず、新たに現物株を114万円分購入できるケースでは、「信用評価損を考慮しなくて良いのか?」と疑問に感じることもあるでしょう。本記事では、信用評価損と現物取引の関係、そしてなぜ現金で株を買えるのかを丁寧に解説します。

信用取引における「保証金」とは

信用取引を行うには、証券会社に一定額の保証金を預ける必要があります。この保証金は、信用取引の元手であり、ポジション(建玉)に対するリスクをカバーする役割を持ちます。

たとえば、114万円の保証金があれば、証券会社の基準に応じて2〜3倍の金額まで信用取引が可能です。ただし、この保証金から建玉の含み損(=評価損)は差し引かれ、「純資産額」として計算されます。

信用評価損と現物取引の関係

ここが混同されがちですが、信用取引の評価損が出ていても、それが現金資産に直接影響するとは限りません。たとえば以下のようなケース。

  • 保証金:114万円
  • 信用建玉評価損:60万円
  • 純資産:54万円(114万円−60万円)

この状態でも、別に「現物口座に現金114万円が入っている」場合、その現金で株を買うことは可能です。なぜなら、信用口座と現物口座は別勘定であるため、現物の購入資金には影響しません。

証券会社の管理画面上の「買付可能額」の仕組み

証券会社の取引画面では、「信用余力」「現物買付可能額」などの表示があります。多くの証券会社では、現物用の現金残高は、信用取引の評価損益とは分離して計算されるため、信用評価損があっても現金があれば株を買えるのです。

ただし、証券会社によっては、「保証金一元管理」制度を導入しており、現物・信用を統合して余力計算するケースもあります。そのため、必ずご自身の証券会社のルールをご確認ください。

信用取引の評価損は放置していいのか?

評価損が出ているということは、将来の損失が拡大するリスクがあるということです。たとえ新たに現物株が買えるとしても、追証(追加保証金)のリスクや、保証金維持率の低下を無視してはいけません。

一時的に現物株を購入できても、相場の下落などでさらに損失が広がった場合、強制決済や現金不足に陥る可能性があります。リスク管理を常に念頭に置きましょう。

実例:114万円の保証金で60万円の信用評価損がある場合

・証券会社A:現物口座に現金が114万円 → 現物株購入可能
・証券会社B:保証金一元管理 → 純資産54万円とみなされ、買付余力は制限される可能性あり

このように、証券会社の管理方法によって、購入可能額の見え方は変わります。設定や口座種別を確認することが大切です。

まとめ:信用評価損を無視せず、口座区分と余力管理を正しく理解しよう

信用評価損がある状態でも、現金資産が十分にあれば現物株の購入は可能な場合があります。ただし、その背景には証券会社の管理方式や口座の区分があります。

信用取引のリスクと余力管理は一体不可分です。評価損が膨らむと現物資産にも影響が及ぶ可能性があるため、現金余力に惑わされず、総合的にリスクを把握しておくことが資産防衛の鍵になります。

株式
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました