MT4(MetaTrader 4)は多くのFXトレーダーに支持される高機能なプラットフォームですが、EA(エキスパートアドバイザー)を同時にいくつまで動かせるかという点は、初心者だけでなく中級者以上にとっても関心の高いテーマです。本記事では、EAの同時稼働数の実用的な限界と、安定運用のための注意点を詳しく解説します。
MT4でのEA同時稼働数の理論と現実
MT4上では理論上、チャートごとに1つのEAを設定できるため、1つのMT4で最大で数十個以上のEAを動かすことも可能です。ただし、これはあくまで理論上の話で、実際にはPCやVPSのスペック、通信環境、ブローカーの制限などにより大きく変動します。
一般的に、8〜10個程度であれば、ミドルスペックのPCやVPSで問題なく稼働できるケースが多いです。
パフォーマンスに影響を与える要素
EAを多数稼働させた場合、以下の要因がボトルネックになる可能性があります。
- CPU処理能力:EAが複雑なロジックを持つと処理が重くなります。
- メモリ容量:チャート数が多いとRAM消費が増加します。
- インターネットの安定性:約定遅延やエラーの原因に。
- ブローカー側の制限:同時注文数に制限がある場合もあります。
特に複数通貨ペアで同時にポジションを取るEAを多数稼働させると、パフォーマンスに大きな影響が出ることがあります。
チャートの開きすぎに注意
MT4では、1つのチャートに1つのEAしか設定できないため、EAの数だけチャートを開く必要があります。チャート数が多いほどMT4の動作が重くなるため、不要なインジケーターは非表示にしたり、チャートの時間足を長めにするなどの工夫も有効です。
実際の運用では、10チャート前後を超えると遅延やフリーズが起きるという報告もあるため、動作状況を確認しながら段階的に増やすことをおすすめします。
EAを多数運用する際の工夫とポイント
複数EAを運用する場合は、以下のような工夫が効果的です。
- VPSを使用して24時間安定運用を確保
- EAのログ出力を最小限に抑える設定にする
- 類似ロジックのEAを同一通貨ペアに設定しない
- 週次でログやメモリの整理を行う
また、同じ戦略に基づいたEAを複数稼働させるよりも、異なる通貨・手法のEAを分散稼働することでリスクヘッジにもなります。
実例:10個以上のEAを安定稼働させたケース
あるトレーダーは、VPS(CPU4コア・メモリ8GB)を使用して、最大で15個のEAを同時に稼働させています。通貨ペアを分散し、時間足もM5からH1まで混在させることで、処理負荷を分散。インジケーターは必要最小限に抑え、1週間に1回MT4の再起動を行うことで、安定運用を実現しています。
このような具体的な調整を施すことで、理論上よりも現実的なEAの最大稼働数を引き上げることが可能になります。
まとめ:安定運用には“数より質”と環境構築が鍵
MT4でのEA同時稼働数は、システムスペックやEAの設計により左右されます。実用的には8~10個が安定の目安ですが、環境を整えることでさらに多くのEAを動かすことも可能です。
大切なのは「何個動かせるか」ではなく、「安定して利益を出せるか」です。EAの性能・組み合わせ・運用環境のバランスを取りながら、無理のない範囲での運用を心がけましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント