投資は本当に危険なのか?元本保証の誤解と正しいリスク認識

資産運用、投資信託、NISA

インターネットやSNS上では投資の動画や広告があふれており、まるで誰もが簡単に儲かるような印象を与えるものも少なくありません。しかし、こうした情報の波に流される前に、投資の本質やリスクについて冷静に理解することが重要です。本記事では「投資=危険」「元本保証がない=悪」といった誤解を解きながら、正しい投資の向き合い方について解説します。

投資は元本保証されないのが基本

まず大前提として、通常の金融商品に元本保証はありません。株式や投資信託、不動産投資などはすべて市場の価格変動リスクを伴います。つまり、元本が減る可能性があるということです。

一方で、元本保証がある金融商品としては、銀行預金や定期預金、個人向け国債(変動10年など)がありますが、これらはリスクが小さい代わりにリターンも小さく、インフレ率を下回ることもしばしばです。

「元本保証します」は金融詐欺の常套句

投資系の動画やサイトの中には「元本保証」「絶対に損しない」とうたっているものがありますが、これは高確率で詐欺の可能性があります。金融庁や消費者庁も再三注意喚起を行っています。

実際にあった例として、SNSを通じて「月利10%保証」とうたう投資話に乗った人が数百万円を騙し取られた事件があります。金融商品の基本原則を知らなかったことが被害の原因でした。

投資は「リスクとリターンのバランス」で考える

投資とは「将来の利益を見込んで資産を運用する行為」です。元本が保証されない代わりに、資産が増える可能性があるからこそ、銀行預金では得られない利回りを目指すわけです。

たとえば、インデックス投資(全世界株やS&P500)などは過去の実績から見ると年利5〜8%程度の成長が期待できますが、もちろん相場によっては一時的な下落もあります。長期・分散・積立を基本にすれば、リスクを抑えながら安定した成長を期待することも可能です。

投資に向いていない人とは?

全員が投資すべきだとは限りません。以下のような方は、無理に投資をしない選択も大切です。

  • 短期で必ず儲けたいと考えている人
  • 元本割れに耐えられない人
  • 生活資金まで投資に回してしまう人

一方で、「将来に備えて資産を増やしたい」「インフレ対策をしたい」という意識を持つ方には、しっかりとリスクを理解したうえで投資を始める価値は十分あります。

信頼できる情報源とアドバイザーの見極め方

YouTubeやSNSでは誰でも情報を発信できますが、投資判断を他人任せにしてしまうのは危険です。金融商品取引業者登録のある証券会社、金融庁や日本証券業協会などの公的機関、あるいは信頼できるファイナンシャルプランナー(CFPなど)からの情報に基づいて判断することが大切です。

たとえば、NISAやiDeCoといった制度は国が推奨する税制優遇制度であり、初心者にとっても始めやすい投資環境を整えています。

まとめ:投資を「悪」とするのではなく、正しく理解する姿勢が大切

「投資は絶対ダメ」「元本保証がないからやらない」という意見には一理ありますが、それは投資という手段を一面的に見ているに過ぎません。大切なのはリスクとリターンのバランスを理解し、自分の目的とライフプランに合った方法で資産運用に取り組むことです。

確かにリスクはありますが、それ以上に「なにもしないリスク」も存在する時代。正しい知識と判断で、投資を活用できる人がこれからの経済社会で有利に立てることは間違いありません。

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