株式市場は時代とともに劇的に進化してきましたが、投資家やトレーダーの心理には意外にも変わらない本質があります。1960年代に活躍したニコラス・ダーバスの投資スタイルは、現代の高速コンピュータ取引とは一見無関係のように見えて、実は今なお参考になる要素を多く含んでいます。本記事では、時代を超えて通用するトレーダー心理の本質と、その背景にある人間の行動パターンに焦点を当てて解説します。
ニコラス・ダーバスとは何者か?
ニコラス・ダーバスはダンサーとしての本業のかたわら、独自の手法「ダーバスボックス理論」で株式市場において巨額の利益をあげた伝説的トレーダーです。彼の著書『私は株で200万ドル儲けた』は、今も世界中で読まれ続けています。
彼が大事にしていたのは「チャートパターンの観察」と「感情を排除したルールに基づいた取引」で、これは現代のトレード心理学にも通じる要素です。
テクノロジーは進化しても、人の感情は変わらない
現在の株式市場は、AIやアルゴリズム取引など、機械的な要素が主流になっています。しかし、そうした自動取引の背景にある戦略もまた、人間の「欲望」や「恐怖」といった心理に基づいて設計されているのです。
例えば、急騰株を追いかけたくなる心理(FOMO:乗り遅れる恐怖)や、含み損から逃げられない心理(損失回避バイアス)は、1960年代でも2020年代でも変わっていません。
トレーダー心理の代表例と現代の実例
例1:利益確定は早く、損切りは遅れる——これは「プロスペクト理論」で知られる行動経済学の典型で、多くの個人投資家が今も陥る罠です。
例2:トレンドに乗り遅れる恐怖(FOMO)——2021年のテスラ株や暗号資産の急騰時、多くの投資家が値ごろ感なく買いを入れたのは記憶に新しいでしょう。
なぜ心理は変わらないのか?
人間の脳は「短期的な報酬」を重視するように設計されています。たとえ情報量が増え、分析ツールが進化しても、根本的な感情構造は同じです。そのため、時代が変わっても「恐怖」「欲望」「後悔」などの心理は市場を動かし続けます。
この点で、ニコラス・ダーバスのようなルールベースの取引は、現代においても感情に流されないための有効な戦略といえるのです。
現代トレーダーが学ぶべきこと
- 感情を管理することの重要性:取引ルールを設定し、厳守すること
- システムや手法よりも、心理との向き合い:手法よりも自己認識が成果を左右する
- 一貫性のある行動:ブレないメンタルこそが、勝ち組と負け組の分かれ道
まとめ:変わるのは市場、変わらないのは人間
テクノロジーがどれだけ進化しても、トレーダーが抱える「不安」や「欲望」といった感情は、時代を超えて普遍的です。ニコラス・ダーバスの時代から、現代のアルゴリズム取引に至るまで、トレードの本質には人間の心理が根強く存在しています。
だからこそ、過去の成功者の言葉や手法は、今もなお私たちにとって価値ある「教材」であり続けるのです。

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