「有事の円」という言葉を聞いたことはありませんか?これは世界的な金融危機や地政学的リスクが高まると、日本円が買われて価値が上がる現象を指します。本記事では、有事の円がなぜ起こるとされてきたのか、その背景となる経済的・市場的な理由を具体例とともにわかりやすく解説します。
「有事の円買い」とは何か?
「有事の円買い」とは、世界的な不安が高まった時に投資家が日本円を買う傾向が強まり、円高になる現象のことです。この動きは「安全通貨」や「逃避通貨」とも呼ばれています。[参照]
実際に過去の金融危機やリスクオフ局面では、ドル円が円高方向に動くことが多く見られました。そのため投資家が世界経済の不確実性を避けるために円を選好したと説明されてきました。
円が「安全通貨」とされた背景
円が安全通貨とみなされてきた理由にはいくつかの要因があります。まず、日本は長期にわたり対外純資産国として巨大な海外資産を保有してきた点が挙げられます。これは有事の際に資金が国内に戻ると予想され、円買いの需給を強めると考えられていました。[参照]
また、日本の金融市場は規模が大きく流動性が高いこと、そして政治的・財政的に比較的安定していると評価されてきたことも安全通貨とされる要因でした。
低金利・キャリートレードとの関係
1980年代以降の日本は超低金利政策を長期にわたって実施し、これがキャリートレードの対象通貨としての役割を強めました。投資家は低金利の円を借りて高金利通貨で運用する取引を行っていましたが、リスクオフ時にはこうした取引を解消するために円を買い戻す動きが発生しました。
このキャリートレードの巻き戻しが円高を押し上げ、「有事の円買い」のメカニズムの一因として語られています。[参照]
歴史的な例
2008年のリーマン・ショックや2011年の東日本大震災時には、ドル円が一時的に円高方向へと進む動きが見られました。こうした価格変動が「有事の円買い」という考え方を裏付ける実例として取り上げられてきました。[参照]
これらの危機的な局面では投資家がリスク回避行動をとり、流動性の高い円を求めたことが要因と考えられています。
有事の円買いは今も通用するか?
近年では、日本の経済情勢や政策の変化により、必ずしも円が安全通貨として機能しない局面も見られるようになっています。例えば、ウクライナ侵攻後の市場では円高に反応せず円安方向の動きが強まった時期もあり、従来の有事観は変わりつつあります。[参照]
それでも歴史的データをみると、危機時には円がリスクオフの資産として買われる傾向が一定期間観察されていたことは事実として挙げられます。
まとめ:有事の円と言われた理由
「有事の円」とは、世界的な不安や危機の際に日本円が買われやすいという現象を指します。その背景には日本の巨大な対外資産、政治・経済の安定性、低金利環境とキャリートレードとの関係などがありました。こうした要因が重なり、リスクオフ時に円が選ばれてきた歴史があるため、「有事の円」として語られてきたのです。
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