近年、FXトレーダーの間で人気のある通貨ペアの一つが「豪ドル/円」です。特にスワップポイント狙いでの長期保有、いわゆる「豪ドルロング戦略」は、多くの個人投資家にとって魅力的な選択肢となってきました。しかし、日本の金利が将来的に上昇するという見通しがある中で、この戦略にも変化の兆しが見え始めています。
スワップポイントの基本とその仕組み
FXにおけるスワップポイントとは、異なる通貨間の金利差によって発生する受け取りまたは支払いのことです。高金利通貨を買い、低金利通貨を売ることで、ポジションを保有している間に金利差益を受け取ることができます。
たとえば、オーストラリア(豪州)の政策金利が4.0%、日本の金利が0.1%であれば、理論上その差である約3.9%相当のスワップを日割りで受け取ることが可能です。
かつての豪ドルロングの魅力とは
一時期、豪ドルを10,000通貨保有するだけで、1日数十円〜100円前後のスワップポイントを得られた時期もありました。これにより、為替変動による差益だけでなく、安定したスワップ収益を期待できる運用先として、多くの投資家に支持されました。
特に円安トレンドが続く局面では、為替益とスワップ益の両方を得られる「ダブルのメリット」が魅力でした。
日本の金利上昇でスワップは逆転する可能性も?
今後の注目ポイントは、日本銀行がついに金融緩和政策を修正しつつあるという点です。インフレ率の上昇や賃金上昇などを背景に、将来的な利上げの可能性が取り沙汰されています。
仮に日本の金利が1%、2%と上昇し、同時に豪州の金利が据え置きまたは引き下げとなれば、豪ドル円のロングポジションでもスワップがマイナスになるというシナリオも十分に考えられます。
スワップ狙いの投資は再考すべきか
スワップ狙いでFXを行う場合、金利動向だけでなく、為替変動リスクも同時に抱えることになります。特に高金利通貨ほど景気変動に敏感で、金利サイクルの転換点では激しい値動きが起こることがあります。
過去の例では、2008年のリーマン・ショック時、豪ドルはわずか数か月で30円以上下落し、多くの投資家が強制ロスカットに追い込まれました。スワップ益をはるかに上回る為替損を被るリスクがあることは常に意識すべきです。
今後の戦略:ヘッジや通貨分散も選択肢に
金利差の縮小や逆転が起きた場合に備え、以下のような戦略を検討することが大切です。
- ロングとショートの組み合わせでヘッジを構築
- 複数の高金利通貨(メキシコペソ、南アランドなど)に分散
- 為替変動リスクを抑えるリミット注文や損切り設定
また、長期的にスワップ収益を安定的に得たい場合は、楽天証券やSBI FXトレードなど、スワップポイントの水準や約定力の高いFX業者の比較も重要です。
まとめ
・豪ドル円のロングは、これまで高いスワップポイントが魅力でしたが、金利差の逆転によりマイナスになる可能性も出てきています。
・今後の日本の金融政策次第では、従来の戦略の見直しが必要になる局面も考えられます。
・FXではスワップ益だけでなく為替リスクも加味した、リスク管理が重要です。
・分散投資やヘッジ戦略の活用により、安定的な運用を目指すことが可能です。

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