「カストディ」と「信託」、どちらも金融や資産管理の分野でよく使われる言葉ですが、その違いについては少し混乱することもあります。本記事では、カストディと信託の基本的な違いをわかりやすく説明し、それぞれがどのような場面で使われるのかを具体例を交えて紹介します。
1. カストディとは?
カストディ(Custody)は、主に金融機関や専門のサービス会社が提供する「保管・管理サービス」のことを指します。具体的には、顧客が所有する証券や資産を安全に保管するために、金融機関が代わりに保管する役割を果たします。
例えば、個人投資家が株式や債券を購入した場合、それらの資産を自分で保管するのではなく、銀行や証券会社に預けることが一般的です。このサービスがカストディサービスです。カストディ業務を行う機関は、資産の保護に加えて、配当金や利子の管理、定期的な報告を提供することもあります。
2. 信託とは?
信託(Trust)は、ある人(委託者)が資産を他の人(受託者)に託し、その資産を特定の目的や条件に従って管理・運用してもらう仕組みです。受託者は、委託者の指示に基づいて資産を管理し、その結果生じた利益を受益者に分配します。
例えば、親が子どものために資産を信託し、子どもが成人したときにその利益を受け取るという形がよくあります。信託は、遺言や相続の際に使われることも多く、特に資産をどのように分配するかという点で重要な役割を果たします。
3. カストディと信託の主要な違い
カストディと信託は、どちらも資産を管理する点では似ていますが、管理の目的や仕組みが異なります。
カストディは基本的に「資産の保管・管理」に特化しています。金融機関や専門機関は資産を預かるだけで、運用や分配の権限は持っていません。一方、信託では受託者が資産の運用や分配に関与し、受益者への利益の分配が行われます。
4. カストディの利用例と信託の利用例
カストディは、主に投資家が金融資産を安全に保管するために利用されます。例えば、大型投資家や機関投資家は、膨大な額の株式や債券を持っている場合、個別に保管することは現実的ではないため、カストディサービスを利用してその資産を安全に保管します。
一方、信託は、資産運用や相続に関連したケースでよく使用されます。例えば、遺産を信託し、受託者がその資産を管理して子孫に分配する場合や、特定の目的(慈善団体への寄付など)のために資産を運用する場合などです。
5. まとめ:カストディと信託の違いを理解する
カストディと信託は、資産管理の方法として似た側面を持ちながらも、その目的と運用方法に大きな違いがあります。カストディは「保管・管理」に重点を置き、信託は「資産運用・分配」を中心に行われます。
それぞれのサービスがどのように活用されるかを理解することが、資産運用や相続の際に重要なポイントとなります。自分の資産をどのように管理・運用したいのかに応じて、適切な方法を選ぶことが大切です。

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