現在はインターネットで手軽に株式売買ができる時代ですが、かつては証券会社の店頭に出向いたり、電話で注文を出すのが一般的でした。その時代には、注文ミスや伝達ミスが発生することも少なくありませんでした。本記事では、証券会社のミスによって誤った株式が買われてしまった場合、どのように対処されていたのかを解説します。
対面・電話取引時代の株式売買の特徴
インターネット取引が主流となる以前は、証券会社の担当者に注文を伝える「対面取引」や「電話取引」が中心でした。投資家は注文書に記入するか、口頭で「〇〇株を〇〇円で買いたい」と伝える方法が一般的でした。
この方式では、ヒューマンエラーが起きやすく、証券会社の記入ミスや聞き間違い、オペレーションの誤りなどで「違う銘柄を買ってしまった」「数量が違った」などのトラブルがしばしば発生していました。
誤発注によって損失が出た場合の対応
誤発注が証券会社側のミスによるものであれば、基本的には証券会社が損失を補填する形での対応が行われていました。これには以下のような対応が含まれます。
- 顧客に損失が出た場合、差額を証券会社が補填
- 誤った株式を即日売却し、正しい銘柄を再購入
- 場合によっては顧客の損益をもとに和解金が提示されることも
ただし、証券会社によっては補填の範囲を制限していたり、顧客側にも確認義務があるとして一部の責任を問う場合もありました。
注文確認と「確認書」の重要性
当時は「注文確認書」や「約定報告書」などが書面で交付され、それを見て間違いに気づくケースが多くありました。この確認書が証拠となり、後のトラブル回避に繋がることもあり、投資家には必ず確認するように指導されていました。
また、ベテランの営業担当者が顧客と密に連携し、二重確認を徹底することでミスの防止に努めていた証券会社も多かったのです。
証券取引等監視委員会や自主規制の動き
1990年代以降、証券取引等監視委員会の監視体制や日本証券業協会による自主規制が整備され、誤発注の防止と適切な顧客対応が強く求められるようになりました。
これにより、誤発注が発覚した際はすぐに報告義務が課され、顧客への説明責任と補填の可否判断が迅速に行われるようになっています。
現代との違いと教訓
現在は個人が自身でネット注文を完結させる時代で、誤発注の責任は原則として顧客にあります。ですが、対面取引時代のように人が介在することで防げたミスや、柔軟な対応が取られていたという一面もありました。
この歴史から学べることは、「注文内容の確認」「記録の保存」「早期の異議申し立て」など、投資家としてのリスク管理が今も昔も重要だという点です。
まとめ:証券会社のミスと誤発注時代の教訓
店頭や電話での株取引では、証券会社側の手違いで誤発注が発生することがありました。その場合は、証券会社が損失を補填する対応が取られていたケースも多く、現在と比べて柔軟な顧客対応がなされていたことが特徴です。
一方で、顧客自身の確認や迅速な対応も重要とされ、現代のネット取引にも通じるリスク管理の教訓となります。

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