投資信託を保有していると「前日比マイナスの銘柄が多いのに、なぜ基準価額は上昇しているのか?」と疑問に感じたことがあるかもしれません。この現象は一見矛盾しているようですが、投資信託の仕組みを理解すれば納得できる内容です。本記事ではその理由や、前日比マイナスが「普通」なのかという点についてもわかりやすく解説していきます。
投資信託の基準価額とは何か?
投資信託の「基準価額」とは、1万口あたりの時価総額を表す価格です。これはその投信が保有している資産(株式、債券、現金など)の時価を合計して、信託口数で割って算出されます。
つまり、構成銘柄の合計評価額+分配金や配当金の受取、為替変動の影響などが反映されており、単純な株価の上下だけでは説明できない動きをします。
構成銘柄の下落と基準価額の上昇が同時に起きる理由
基準価額がプラスになっているのに、主要な構成銘柄が前日比でマイナスという現象は、以下のような理由で起こりえます。
- 為替レートの変動:外国株式を組み入れている場合、為替が円安になると日本円換算の資産価値が上昇することがあります。
- 配当や分配金の影響:決算期に受け取る配当金などが資産価値に加算され、基準価額が押し上げられることがあります。
- 取引時間のズレ:国内株は15時で終了ですが、外国株はその後も動いています。夜間の価格変動が翌日の基準価額に反映されるケースがあります。
たとえば米国株式を中心とした投資信託では、日本時間の前日夜に米国市場が上昇すれば、それが当日朝の基準価額に反映され、基準価額はプラスに動きます。しかしその時点では日本株(構成銘柄)が下落していた、という状況も考えられます。
「前日比マイナス」は普通なのか?
投資信託の銘柄構成を見ると、1つ2つの株価がマイナスになっているのはごく普通のことです。むしろすべての構成銘柄が常にプラスであることの方が珍しいです。
大切なのは個別銘柄の一時的な動きよりも、長期的な資産全体の成長を見据えることです。投資信託は分散投資によってリスクを抑える設計なので、全体のパフォーマンスが安定していれば短期的な上下に過剰に反応する必要はありません。
実例で学ぶ:為替と基準価額の関係
たとえばある投資信託が米国株に50%、日本株に50%投資していると仮定します。日本株が1%下落しても、同日に1ドルが145円から147円に円安が進んだ場合、米国株の日本円換算額が上昇し、基準価額全体がプラスになることがあります。
このように、「基準価額」は銘柄単体の上下動だけで判断できないのです。
投資信託の値動きを正しく理解するには
投資信託の動きを正しく理解するためには、月次レポート(マンスリーレポート)や目論見書を確認し、構成資産や為替ヘッジの有無、配当金の受取方法などを把握することが重要です。
また、複数の資産に分散されている場合、ある一部がマイナスであっても全体ではプラスになっているケースもよくあります。
まとめ:基準価額の動きには複数の要因が影響
基準価額がプラスであるにもかかわらず構成銘柄の前日比がマイナスであるのは、為替変動や配当の影響、取引タイミングのズレなどが影響しているためです。
そのため、「おかしい」と不安に思う必要はありません。投資信託は短期の価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で全体の成績を見守るのが大切です。

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