証券口座の米ドルを外貨預金に送金できる?三菱UFJ・三井住友銀行への外貨送金の基礎知識

資産運用、投資信託、NISA

近年、外貨建て資産への関心が高まっており、証券会社で米ドルを保有している方も増えています。その中で「証券口座にある米ドルを外貨預金口座に移すことは可能なのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、三菱UFJ銀行・三井住友銀行の外貨預金口座との連携について詳しく解説します。

証券会社で保有する米ドルの扱いとは?

証券会社では外国株の購入や為替取引を目的として、外貨(主に米ドル)を保有することが可能です。外貨建てMMFやドル建てETFなどを売却した後、そのままドルのまま残しておくこともできます。

たとえば、SBI証券や楽天証券などでは、米ドルを外貨で出金できる「外貨出金サービス」が提供されています。この仕組みを使えば、証券口座内のドルを国内銀行の外貨口座へ送金できます。

三菱UFJ銀行・三井住友銀行の外貨預金口座との接続

三菱UFJ銀行および三井住友銀行は、個人向けに外貨普通預金口座を提供しており、米ドルをはじめとする複数通貨に対応しています。ただし、証券会社からこれらの銀行への送金には注意点があります。

  • 外貨送金に対応している証券会社であること
  • 受取人名義が完全に一致している必要がある
  • 中継銀行を経由するため、送金手数料や被仕向送金手数料が発生する

特に三菱UFJ銀行では、米ドルによる外国送金(被仕向送金)を受け付ける際、1件あたり数千円の手数料がかかることがあります。詳細は三菱UFJ銀行の公式サイトを確認するとよいでしょう。

実際の送金の流れ

実際に証券口座から銀行口座へ米ドルを送金する一般的な流れは以下の通りです。

  1. 証券会社で外貨出金手続きを行う(受取人:自分名義の外貨預金口座)
  2. SWIFTコードや受取銀行情報を入力
  3. 手続き完了後、2〜4営業日程度で着金

ただし、証券会社によって対応可否や手数料が異なります。楽天証券では現時点で外貨出金はできず、円に換えて出金する必要があります。一方、SBI証券では「外貨出金サービス」が利用可能です。

外貨出金に関する注意点

外貨出金を行う際は以下の点に注意しましょう。

  • 送金額に対する最低手数料が高額になる可能性がある
  • 外貨預金口座では為替スプレッドが広いため、再両替時に損失が出やすい
  • 銀行側で受取拒否されるケースも稀にある(入力不備など)

たとえば、10,000ドルを送金する場合、中継銀行と受取銀行の手数料で合計5,000円〜7,000円以上かかるケースもあります。

代替手段:円転出金+外貨預金での再購入

もう一つの選択肢は、一度円に換えて銀行口座に出金し、その後銀行側で外貨預金を購入する方法です。この方法では送金手数料はかからない一方で、円転時と再購入時の為替差益・差損に注意が必要です。

たとえば、証券口座でドルを円転した時のレートが145円、銀行で外貨購入した際のレートが147円であれば、2円の為替差が生じます。

まとめ:目的に応じた手段を選ぼう

証券口座の米ドルを三菱UFJ銀行や三井住友銀行の外貨預金口座に送金することは、条件を満たせば可能です。ただし、手数料や送金処理の煩雑さ、タイミングによる為替差など、いくつかのリスクとコストが伴います。

外貨を資産として長期保有するのが目的であれば、外貨建てMMFなどの金融商品での運用継続も視野に入れつつ、必要に応じて送金か円転出金かを判断するのが賢明です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました