為替相場を動かす要因のひとつに、アメリカの消費者物価指数(CPI)の発表があります。CPIはインフレの動向を示す重要指標であり、発表直後にはドル円相場が大きく動くこともしばしば。本記事では、CPIの上昇がなぜドル高・ドル安を招くのか、また投資家がどう行動すべきかをわかりやすく解説します。
米国CPIとは何か?基礎知識を確認
CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)は、アメリカの家庭が購入するモノやサービスの価格変動を数値化したものです。これが上昇するということは、物価が上がっている=インフレが進んでいることを意味します。
アメリカ労働省労働統計局(BLS)が毎月中旬に発表し、為替や株式市場、債券市場への影響力が極めて大きい指標です。
CPI上昇時に起きやすい為替の動き
一般的に、CPIが市場予想を上回って上昇すると、FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ抑制のために利上げを検討する可能性が高まります。
利上げ=ドルの金利上昇 → 投資家は利回りを求めてドルを買う → ドル高(=円安)になりやすい
ドル高が進む背景にある金融政策
例えば2022年、CPIの急上昇を受けてFRBが急速な利上げを実施した結果、ドル円相場は一時150円台までドル高が進みました。インフレ→利上げ→ドル高という流れが繰り返された典型例です。
逆に、CPIが予想を下回る=インフレが鈍化 → 利上げ見送りや利下げの可能性 → ドル売り → ドル安(=円高)となりやすくなります。
過去の具体例から見る反応
事例①:2023年11月
CPIが市場予想を上回り、FRBの利上げ継続観測が強まる → ドル買いが進行し、ドル円が一時急騰
事例②:2024年3月
インフレが想定以下の上昇にとどまり、利上げ観測後退 → ドル売り優勢でドル円は下落
CPI発表時に気をつけたいポイント
- 事前予想との乖離:実際の数値よりも市場予想との差が価格変動を左右します
- コアCPI:食品・エネルギーを除いたコア指数も注目される
- 市場のセンチメント:発表前の投資家心理も影響大
これらの要素を合わせて見極めることで、CPI発表後の為替変動をある程度予測することが可能になります。
まとめ:CPI上昇は一般的にドル高要因になる
CPIの上昇はインフレ加速を意味し、FRBの利上げを促すため、結果としてドル高になりやすい傾向があります。ただし、市場予想との比較や発表前の期待値によっては逆方向に動くこともあるため、常に総合的な判断が重要です。
ドル円相場を読み解く上で、CPIは極めて強力な経済指標です。為替取引を行う際には必ず注目しておきましょう。

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