PTS取引におけるストップ高と比例配分の仕組み:知っておくべきポイント

株式

株式投資において、PTS(私設取引システム)取引は取引所の取引時間外でも株式の売買が可能な手段として注目されています。特に、ストップ高やストップ安の状況下での取引については、通常の取引所取引とは異なるルールが適用されるため、投資家にとって重要な知識となります。

PTS取引とは何か?

PTS取引は、証券取引所を介さずに証券会社が運営する電子取引システムを利用した株式取引のことを指します。これにより、投資家は取引所の営業時間外でも株式の売買が可能となります。

PTS取引には、ジャパンネクスト証券が運営する「J-Market」や「X-Market」などがあります。これらの市場では、取引所取引と同様に価格優先・時間優先の原則が適用されますが、一部のルールに違いがあります。

ストップ高・ストップ安の概念

ストップ高とは、株価が1日の値幅制限の上限に達し、それ以上の価格での取引ができなくなる状態を指します。逆に、ストップ安は値幅制限の下限に達した状態です。これらの制限は、株価の急激な変動を防ぎ、市場の安定性を保つために設けられています。

取引所取引では、ストップ高・ストップ安の状態になると、成行注文がすべて約定しない限り、比例配分(ストップ配分)という方法で注文が処理されます。

PTS取引におけるストップ高・ストップ安の取り扱い

PTS取引では、取引所取引と同様に制限値幅が設けられていますが、ストップ高・ストップ安の概念や比例配分のルールは適用されません。つまり、PTS取引では、制限値幅の上限や下限に達した場合でも、時間優先の原則に従って取引が成立します。

これは、PTS取引が顧客指値対当方式を採用しており、板寄せや比例配分といった取引所特有のルールが存在しないためです。したがって、PTS取引では、ストップ高・ストップ安の状態でも、取引が継続される可能性があります。

比例配分の仕組みとその適用範囲

比例配分(ストップ配分)とは、ストップ高・ストップ安の状態で成行注文がすべて約定しない場合に、制限値段での注文数量に応じて、証券会社ごとに株式が配分される仕組みです。これにより、注文数量の多い証券会社から順に1単位ずつ配分されます。

例えば、ある銘柄がストップ高となり、買い注文が5,000株、売り注文が1,000株あった場合、売り注文の1,000株が比例配分されます。証券会社Aが2,000株、Bが1,500株、Cが1,000株、Dが500株の買い注文を出していたとすると、Aから順に100株ずつ配分され、最終的にAが300株、Bが300株、Cが200株、Dが100株を割り当てられることになります。

PTS取引における注意点

PTS取引では、比例配分のルールが適用されないため、ストップ高・ストップ安の状態でも、取引が成立する可能性があります。ただし、PTS取引には以下のような注意点があります。

  • 取引時間が証券会社によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
  • 指値注文のみが可能で、成行注文や逆指値注文は利用できません。
  • 取引所取引と比較して流動性が低い場合があるため、大量の注文が成立しにくいことがあります。

まとめ

PTS取引では、取引所取引と異なり、ストップ高・ストップ安の状態でも比例配分が行われず、時間優先の原則に従って取引が成立します。これにより、取引所の取引時間外でも柔軟な取引が可能となりますが、流動性や注文方法に制限があるため、注意が必要です。投資家は、PTS取引の特性を理解し、適切な取引戦略を立てることが重要です。

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