「アメリカのフォートノックスには金が本当は存在しない」という話は、投資界隈や陰謀論コミュニティでたびたび話題になります。これを根拠に金価格が上昇すると考え、金投資で儲けようとする人もいますが、本当に信じて行動する前に、まずは金市場の仕組みと投資判断の基本を整理しておくことが重要です。
フォートノックスと金の保有:本当に空なのか?
フォートノックスはアメリカ財務省の金の保管施設で、1937年以降、政府の金準備が保管されているとされています。その総量は約4,500トンと公表されています。
ただし、市民やメディアが自由に出入りできないため、「実は空では?」という疑念が一部で語られるようになりました。これには政府不信や陰謀論的な要素も含まれますが、信頼できる公式な監査や会計処理が行われているため、真偽はともかく「金が全く存在しない」という証拠は確認されていません。
「金がない」前提で投資して儲かる?その思考の落とし穴
「フォートノックスに金がない → 通貨の信認低下 → 金価格上昇 → 儲かる」というロジックは、一見すると筋が通っているようにも見えます。しかし現実の市場は、それほど単純には動きません。
金価格は中央銀行の動き、インフレ率、地政学リスク、為替レート、ETFの買い需要など、複合的な要因で変動します。フォートノックスの金の有無は、あくまで市場の一部であり、短期的な売買判断の中心にはなりません。
金投資の基本:安全資産としての位置づけを理解しよう
金は不況時やドル安・インフレ期に価値が上がりやすい「安全資産」として知られています。現物(金地金やコイン)、金ETF、金鉱株など、さまざまな投資手段があり、リスク分散の一環として取り入れられています。
特に2020年のコロナショックや、ロシアによるウクライナ侵攻以降、金価格は歴史的な高値圏で推移しており、多くの投資家にとって保険的な役割を果たしてきました。
実例:陰謀論で買っても儲けられるのか?
2010年代初頭、「金は1オンス5000ドルまで行く」と主張する陰謀系YouTuberや著名人が増えました。しかし現実には金価格は上がり下がりを繰り返し、一部の人は利益を出したものの、相場のピークで掴んだ人は長期間含み損を抱えることになったケースも少なくありません。
信頼できる情報に基づかず、「誰かが言っていたから」という理由での投資判断は、ハイリスクなギャンブルと紙一重だということを忘れてはいけません。
初心者が金に投資する際に気をつけたいポイント
- 情報の出どころが明確かつ信頼できるか確認
- 金は利息を生まないため、資産全体の中でのバランスを考慮
- 現物か金融商品かで保有コストや流動性が大きく異なる
- 長期保有を前提に、相場の変動に一喜一憂しない
また、金投資は「ドルコスト平均法」などで積立型にすることで価格変動リスクを抑えることができます。
まとめ:金投資は冷静な判断と情報収集がカギ
フォートノックスに金がないという説は話題性はありますが、それだけで金価格が暴騰するほど市場は単純ではありません。金はあくまでポートフォリオの一部として、インフレやリスク回避に備えるために活用するのが基本です。
「儲かる」と断言する誰かの声よりも、自分自身でデータと事実を元に判断する姿勢が、長く投資を続けるための大切なスタンスと言えるでしょう。

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