かつては「金より高価な貴金属」として知られていたプラチナ。しかし、近年は価格が逆転し、金がプラチナを大きく上回る状態が続いています。「また昔のようにプラチナが金より高くなるのか?」という問いは、多くの投資家や貴金属ファンが抱える関心事の一つです。この記事では、両者の価格の関係性や今後の展望について、歴史的背景と需給動向を交えて詳しく解説します。
かつての「プラチナ>金」時代はなぜ起こったのか?
1990年代から2000年代前半にかけて、プラチナは金より常に高い価格帯で取引されていました。その理由は主に以下の通りです。
- 宝飾品や高級時計などにおける高級素材としての需要
- 自動車の排ガス浄化装置(触媒)としての工業需要の高さ
- 供給の大半を占める南アフリカの政治・電力リスク
これらが重なり、プラチナは希少性と産業的価値から、金を上回る価値を持っていたのです。
現在の「金>プラチナ」逆転の理由
2015年頃から、プラチナと金の価格は逆転しました。背景には以下のような要因があります。
- EV(電気自動車)の普及により、ディーゼル車向け触媒の需要減少
- プラチナ需要の主力だった欧州でのディーゼル離れ
- 金が安全資産として買われ続けた一方、プラチナはコモディティ化
とりわけ、金は世界の中央銀行や個人投資家がリスク回避資産として買い続けたことで価格が安定上昇。一方、プラチナは産業用途の低迷で長期低迷が続いています。
今後プラチナが金を再逆転する可能性はあるのか?
可能性はゼロではありませんが、現時点ではいくつかの前提条件の変化が必要になります。
- グリーン水素の普及に伴う、プラチナ触媒の再評価
- 新興国の中産階級の増加による宝飾需要の回復
- 供給国のリスク上昇(南アフリカの政情不安・鉱山コスト)
- 金価格の上昇が一巡し、調整局面を迎える
特に注目されているのが、再生可能エネルギー分野におけるプラチナの活用です。たとえば、水素社会に向けた電解装置や燃料電池ではプラチナが不可欠とされており、中長期的には構造的需要の増加が期待されています。
投資家が注目すべきポイント
プラチナ価格の逆転可能性を探るうえで、以下のデータやニュースをウォッチするのが有効です。
- 南アフリカの鉱山生産量・コスト動向
- 金とプラチナの価格比率(一般に1.0を超えると逆転が近づく)
- 自動車・エネルギー業界でのプラチナ需要の技術革新
- ETF(上場投資信託)などを通じた資金流入の傾向
2024年現在では、金の価格が高止まりしている一方、プラチナは相対的に割安ともいえ、逆張り志向の投資家から注目され始めています。
まとめ:プラチナが再び金を超えるには「構造変化」が鍵
過去にプラチナが金より高かったのは事実ですが、現在の経済構造や需給バランスでは、単純に「昔に戻る」とは限りません。しかし、技術革新や政策の転換が起これば、逆転の可能性もあります。
投資対象としてのプラチナは、金と異なる動きをすることから、資産分散の一環としても有効です。価格差の背景を理解しながら、冷静に市場の変化を見極めていくことが、今後のプラチナ投資の鍵になるでしょう。

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