日本株の上昇と円の流通量・インフレの関係とは?資産価格とマネーの動きをわかりやすく解説

株式

日本株の価格が上昇する背景には、企業の業績だけでなく、通貨の供給量や物価の変動といったマクロ経済的な要因が深く関わっています。この記事では、日本円の流通量、インフレ(物価上昇)、そして株価の関係性について、初学者にもわかりやすく解説します。

株価上昇の要因は「企業の価値」だけではない

株価は本来、企業の将来利益や成長性を織り込んで決まるものです。しかし、金融政策やマネーの動き、つまり「世の中にどれだけお金が出回っているか」も株価に大きな影響を与えます。

たとえば、日本銀行が金融緩和を実施して市場に資金を供給すると、そのお金の一部は株式市場に流れ込み、株の需要が高まり価格が上昇する構図になります。

マネーストックと株価の関係性

「マネーストック(通貨供給量)」が増加するということは、市場に出回るお金が増えることを意味します。この現象は、日銀が国債などの資産を買い入れ、民間銀行に資金が流れる「量的緩和政策」によって起きます。

結果として、低金利+資金余剰の状況下では、個人や機関投資家の“余ったお金”が株式市場に向かうため、株価が上昇しやすくなります。

インフレと株価の関係:物価上昇が投資先を変える

インフレ(物価上昇)が起きると、現金の価値が目減りするため、多くの人は実物資産や株式など「インフレに強い資産」に資金を移します。これもまた、株価が上昇しやすくなる理由のひとつです。

特にインフレが一定程度進行している場面では、商品価格に価格転嫁ができる企業の株が強くなりがちです。たとえば、原材料価格が上がっても、販売価格も調整できる食品企業やインフラ関連などです。

円安・インフレ・株高が同時進行する理由

最近の日本では、円安・株高・インフレが同時に進んでいます。その背景には、次のような循環があります。

  • 日本銀行が金融緩和 → 金利が低い → 円が売られる(円安)
  • 円安で輸入品の価格が上がる → 物価が上昇(インフレ)
  • 円の価値が下がるので、株式などの実物資産にお金が流れる(株高)

つまり、円の価値が相対的に低下することで、株や不動産といった資産に資金が向かいやすくなるという連鎖が生まれているのです。

実例:アベノミクスと株価・インフレの動き

2013年から始まったアベノミクスでは、黒田日銀総裁による大規模な金融緩和が実施されました。この時期、マネーストックは急増し、日経平均株価は2012年末の約1万円台から、2015年には2万円超へと急上昇しました。

同時に、消費者物価指数(CPI)も上昇傾向にあり、インフレ率がプラス圏に転じたことも注目されました。このように、株価・円・インフレは一体的に動く場面があるのです。

まとめ:日本株とマクロ経済は切っても切れない関係

株価の動きは、企業の業績や景気見通しだけではなく、「日本円の流通量(マネーストック)」や「インフレ率」と密接に関係しています。特に、金融緩和や物価上昇によって現金の価値が下がると、株式などの資産価格は上昇しやすくなります。

投資判断においては、企業分析に加え、マクロ経済の流れにも目を向けることが、利益を生むヒントとなるでしょう。

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