株式投資の世界では、夜間取引(PTS取引)と通常の立会時間における価格が大きく異なるケースがあります。とくに、PTSで購入した株の価格が翌日の始値で大きく下がっていた場合、「なぜこんなに損して始まるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、夜間に株を買って翌朝に大きな損を抱える仕組みと、それを避けるためのポイントを解説します。
PTS(夜間取引)と通常市場の違い
日本株は通常、平日の9:00〜15:00(前場と後場)に東京証券取引所などの「立会市場」で売買されます。一方、PTS(私設取引システム)では夜間や早朝でも取引が可能です。たとえばSBI証券が提供するSBI PTSでは、16:30~23:59までのナイトセッションがあります。
しかしこのPTS取引では、出来高が少なく、流動性が低いため、価格が割高または割安になりやすい傾向があります。つまり、PTSでの取引価格は“本来の市場価格”とはズレている可能性があるのです。
夜間に高値掴みとなるケースの一例
たとえば夜間に「1500円で500株購入」したとしても、翌朝の通常取引でその銘柄の始値が「1000円」だった場合、1株あたり500円の含み損が発生します。これはあなたがPTSで割高な価格で取引してしまったということを意味します。
PTS市場では、売りたい人と買いたい人のバランスが崩れていることが多く、売買成立価格が本来の価値から乖離してしまうのです。特に材料が出た直後や出来高が少ない銘柄では、そのリスクが顕著です。
なぜ価格がここまで下がったのか?
PTSで1500円だった株が翌朝に1000円で始まる主な理由は以下の通りです。
- 材料出尽くし:好材料が夜間に出て高騰したが、翌朝には利益確定売りが殺到
- PTS特有の価格操作:一部の投資家が高値で買い注文を出し、相場を吊り上げていた
- 出来高不足:薄商いの中で一部の高値取引が成立していた
このような状況では、実際の需給が反映された「通常市場」で正しい価格に戻る動きが起きます。
初心者がPTS取引で注意すべきポイント
PTSでの取引を行う際は、その価格が妥当なのかを冷静に判断することが極めて重要です。以下の点に注意しましょう。
- 日中の出来高や板情報を参考にする
- IR(決算・ニュース)の内容を精査して過熱感をチェック
- 成行注文ではなく指値注文で冷静に価格を指定する
また、PTSは基本的に短期トレーダー向けの市場であるため、初心者は無理に夜間取引に手を出さないほうが安全です。
損失を避けるための対策
PTS市場での高値掴みを避けるためにできることは以下の通りです。
- 複数の証券会社のPTS気配値を比較する
- 夜間材料後は即飛びつかず、翌朝の市場反応を待つ
- 前日終値・出来高・チャートの位置を再確認する
夜間は“雰囲気”で相場が動きやすく、誤った価格で売買が成立する可能性が高まります。冷静な判断が何よりも大切です。
まとめ:PTS取引はリスクも大きい、慎重な対応を
PTS市場では本来の株価とかけ離れた取引が成立することがあり、翌朝の通常取引で現実的な価格に戻ることで、想定外の含み損が発生するケースがあります。
特に初心者にとっては、PTS取引は価格の歪みが大きいため、慎重に判断し、必要であれば見送る勇気も必要です。しっかりと情報を確認した上で、賢明なトレードを心がけましょう。

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