新型窓口販売方式の10年国債とは?価格と利回りの仕組みをやさしく解説

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国債は安全性が高く、初心者からプロまで幅広い投資家に利用されています。中でも「新型窓口販売方式」で販売される10年満期国債は、価格や利回りの仕組みが少し複雑で戸惑う方も多いでしょう。今回は「額面100円につき、募集価格が100円90銭」というケースを中心に、国債の購入と利回りの考え方について丁寧に解説します。

新型窓口販売方式とは?

新型窓口販売方式とは、一定の期間に個人投資家から購入申込を受け付ける方式です。期間中に集まった注文をもとに発行条件(利率・価格など)が決まります。証券会社や銀行などの金融機関の窓口で申し込みます。

この方式では「発行価格(募集価格)」が額面と異なる場合があり、たとえば100円90銭という価格で販売されることもあります。ここが理解しにくいポイントです。

額面100円・募集価格100円90銭の意味

国債は通常「額面100円」で償還されます。つまり、満期の10年後には1単位あたり100円が返ってきます。それに対して、今回のケースでは「購入価格」が100円90銭です。つまり額面よりも高い価格で購入していることになります。

一見すると「90銭損している?」と感じるかもしれませんが、実はそうではありません。国債には利子(利金)がつき、半年ごとに受け取れるため、利子収入と償還価格の合計で利益を得る仕組みです。

実際の利回りはどう決まる?

利回りとは、「投資した金額に対してどれだけの収益が得られるか」を示す指標です。募集価格が額面より高い場合、利子収入が高めに設定されていることが多く、実質的な利回りがトータルでプラスになるように調整されています。

例として、年利0.3%の利子が付くと仮定しましょう。10年間で6円の利子が得られ、満期に額面の100円が戻ります。合計106円に対して、購入価格が100円90銭なら、差額で利益が出るということです。

なぜ額面より高く売られることがあるのか?

国債の価格は市場の金利や需給の影響を受けます。金利が下がると、既に発行された高利回りの国債の人気が高まり、価格が額面より上がる傾向があります。これと同様に、新発国債でも、金利が低下する局面では額面より高い価格で販売されることがあります。

一方で、価格が高くなっても利子がつくため、長期で保有すれば安定したリターンが得られる仕組みになっています。

実例で理解する「損か得か」

ある人が100円90銭で10年国債を購入し、年0.3%の利子が付くと仮定します。半年ごとに0.15円、年に0.3円、10年間で3円の利子となります。満期には100円が返還されるため、合計で103円受け取れることになります。購入時点で100.90円を支払っているため、最終的な利益は2円10銭となり、損ではありません。

このように、利子と償還金を含めて考えることが大切です。

まとめ:国債の価格だけで損得は判断できない

募集価格が額面より高いと一見損に見えますが、実際には利子を含めたトータル収益でプラスになるよう設計されています。国債は価格と利回りのバランスを理解して初めてその魅力が見えてきます。

資産を安全に増やしたいと考えている方は、価格だけにとらわれず、利回りや償還の仕組みを正しく理解した上で、国債投資を活用することをおすすめします。

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