外部経済と外部不経済をやさしく解説|身近な例でわかる経済のしくみ

経済、景気

「外部経済」と「外部不経済」という言葉は、経済学でよく使われる用語ですが、実は私たちの身の回りでも起こっています。この記事では、難しい専門用語をなるべく使わず、身近な例を通してこれらの考え方をやさしく解説します。

外部経済とは?周りの人が得をする現象

「外部経済」とは、ある人や企業の行動が、まわりの人によい影響を与えることをいいます。しかも、その影響に対して、お金のやり取りが発生していないというのがポイントです。

たとえば、ある人が自分の庭にたくさんの花を植えて、美しく咲かせたとします。近くを通る人たちはその花を見て癒されます。この場合、花を見て幸せな気分になる人たちは、お金を払っていないのに良い影響を受けている──これが「外部経済」です。

外部不経済とは?周りの人が損をする現象

「外部不経済」は、逆に、ある人や企業の行動が他の人に悪い影響を与えることを指します。しかも、その被害に対して、補償などがされていないのが問題点です。

たとえば、工場が煙をたくさん出して空気を汚した場合、その近くに住む人たちは健康を害したり、洗濯物が汚れたりします。このとき、住民は工場からお金をもらっていないのに、被害を受けています。これが「外部不経済」です。

わかりやすい!外部経済と外部不経済の対比例

項目 外部経済 外部不経済
意味 他人に良い影響を与える 他人に悪い影響を与える
お金のやりとり 基本的にない 基本的にない
街路樹の美化、予防接種 騒音、排気ガス、公害

このように、外部経済と外部不経済は表裏一体の関係にあり、どちらも「自分以外の人に影響を与えるけれど、お金のやりとりがない」という共通点があります。

外部性があると市場はうまくいかないことがある

本来、経済活動は「自分にとって得かどうか」で判断されます。しかし、外部経済や外部不経済があると、自分の行動が他人に与える影響を考慮しないまま意思決定されてしまい、市場全体としてうまくいかなくなることがあります。

たとえば、工場が公害を出しても費用を負担しない場合、その分コストが安くすみ、価格競争で有利になりますが、社会全体では健康被害という「損」が生まれています。このような状況を「市場の失敗」と呼びます。

外部性への対策:政府や社会の役割

外部性の問題を解決するために、政府がルールを作ったり、お金の仕組みを導入することがあります。これにより、個人の行動が社会全体にとってもよい方向になるように調整されます。

たとえば、排ガス規制、騒音防止条例、植樹への補助金、ワクチン接種の推進などがそれに当たります。こうした仕組みは、私たちがより良い社会で暮らすために欠かせないものです。

まとめ:外部経済と外部不経済を知ると見える社会のしくみ

外部経済と外部不経済は、私たちが日々生活する中で見えにくいけれど、確実に影響を与えている大切な考え方です。ある人の行動が他の人にどんな影響を与えているか、それを意識することで、よりよい社会や経済の仕組みを考えるきっかけになります。

「知らないうちに、誰かの役に立っている」または「迷惑をかけてしまっている」──それが外部性の本質なのです。

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