ミクロ経済学の基本的な問題に「費用関数と市場価格が与えられたとき、利潤が最大となる生産量とその利潤を求めよ」というものがあります。今回は、その代表的な例を使って、利潤最大化の求め方を丁寧に解説します。
今回の設定と目的
与えられた条件は以下の通りです。
- 費用関数(Total Cost)TC = q² + 500
- 市場価格(Price)P = 100(完全競争市場と仮定)
目的は、利潤が最大になる生産量qと、そのときの利潤を求めることです。
ステップ1:利潤関数を定義する
利潤(π)は、総収入(TR)から総費用(TC)を引いて求められます。
総収入 TR = P × q = 100q
総費用 TC = q² + 500
したがって、利潤関数 π(q) = 100q – (q² + 500) となります。
これを整理すると、
π(q) = -q² + 100q - 500
ステップ2:利潤関数を最大化する生産量を求める
最大値を求めるには、利潤関数を微分し、その導関数が0になる点(極値)を探します。
π'(q) = d/dq [-q² + 100q - 500] = -2q + 100
これが0になる点を解きます。
-2q + 100 = 0 → q = 50
よって、利潤が最大になる生産量は q = 50 です。
ステップ3:利潤の値を求める
求めたq=50を利潤関数に代入して、最大利潤を求めます。
π(50) = -50² + 100×50 - 500 = -2500 + 5000 - 500 = 2000
よって、利潤最大値は2,000です。
まとめと考察
このような問題では、次の3つの手順を覚えておくと応用が効きます。
- 利潤関数を定義する(π(q) = TR – TC)
- 微分して利潤を最大化する生産量qを求める
- そのqを利潤関数に代入して最大利潤を求める
今回は簡単な二次関数でしたが、実務的な応用でもこの考え方は非常に有効です。
応用のヒント
市場価格Pが一定でない(需要関数に依存する)ケースや、費用関数が複雑な場合もあります。その際は、総収入や限界費用(MC)を使って最適化する手法へと発展していきます。
まずは、こうした基本形をしっかり理解することが、将来の経済学や経営戦略分析にもつながります。

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