最近、自動車関連株や日経平均が上昇傾向にある中で、「関税が15%に上がったのになぜ株価は上がるのか?」と疑問に思う投資家も多いのではないでしょうか。本記事では、関税引き上げによる影響と株価の動向、そして決算での減益リスクについて解説していきます。
なぜ関税が上がっても株価が上がるのか
一見矛盾するように思える「関税上昇=コスト増」にもかかわらず、株価が上昇しているのは、市場がポジティブな将来見通しを織り込んでいるからです。たとえば、新たな関税措置によって輸入品に対する自国製品の競争力が上がると期待される場合、その産業にとっては追い風となります。
また、関税の情報が発表された段階で既に織り込み済みだった場合、市場はむしろ「予想よりも軽微だった」と判断し、安心感から株価が上昇することもあります。
関税負担増と減益リスクの現実
しかし当然ながら、2.5%→15%への関税引き上げはコスト増要因であることは事実です。企業がそのコストを価格転嫁できない場合、粗利は減少し、最終的に減益となる可能性があります。
特に車体価格を2割近く安くして輸出しているといった状況では、関税増が利益を直撃する可能性が高く、次回決算で利益圧迫要因として現れるおそれがあります。
決算で減益発表があると株価はどう動く?
決算で減益が発表された場合、事前に株価が楽観的に上昇していた分、反動で急落することはよくあります。特に「期待先行で買われていた銘柄」は、決算トラップとしての下落リスクが高いです。
そのため、関税という明確なコスト増要因があるにも関わらず、株価が上がっている銘柄に対しては、短期的な利確も含めたリスク管理が求められます。
市場は常に先を見る:実例と背景
たとえば、2018年の米中貿易摩擦で関税が大幅に引き上げられた際にも、自動車株や電子部品株などが一時的に売られた後、数カ月後にはむしろ上昇トレンドに入りました。これは、企業が価格転嫁やコスト削減などの対策を進め、長期的な利益維持のシナリオが描けたからです。
今回も一部の企業は、関税分を値上げや販路変更、生産地の見直しなどで吸収しようとしており、必ずしも減益一辺倒ではないという見方もあります。
投資家としてできる備えと戦略
不確実性が高まっている状況では、以下のようなポイントをチェックしておきましょう。
- 関税影響が大きい輸出先と製品構成を確認
- 各社のIR資料や決算説明会で関税に言及があるか注目
- 割高に買われている銘柄は利確ラインを意識
- 短期の材料ではなく、中期の成長戦略に焦点を当てる
また、同業他社との比較で「関税耐性」が高い企業を選ぶことも、リスク回避の有効な手段です。
まとめ:株価上昇の裏にあるリスクも見逃さない
関税引き上げがあっても株価が上がるのは、市場が「一時的影響」と見ているからです。ただし、企業努力だけでは吸収できないコスト増も現実に存在します。今後の決算内容に注目しつつ、冷静な分析とリスクヘッジの姿勢を持つことが、堅実な投資につながります。

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