1980年代後半から1990年代初頭にかけて、バブル経済の恩恵を受けた金融商品の一つに「MMC(マネー・マーケット・サーティフィケート)」と呼ばれる市場金利連動型預金があります。この商品は一時的に高金利を享受できると話題になりましたが、バブル崩壊後の金融環境の変化により平成4年(1992年)に廃止されました。本記事ではMMCの仕組みと、廃止時に預金はどうなったのかを詳しく解説します。
MMCとはどのような預金だったのか
MMCは、市場金利(コールレートなど)に連動して利息が決定される預金商品で、主に都市銀行や大手地方銀行が取り扱っていました。定期預金と異なり、金利の変動に応じて利息も変動するため、金利が高い時期には非常に高利回りを実現できる商品でした。
また、短期運用が前提で、1ヶ月単位や3ヶ月単位で更新される仕組みになっていました。流動性も高く、比較的自由に引き出しが可能な点も当時の投資家に人気でした。
なぜMMCは廃止されたのか
MMCは高金利時代に人気を博しましたが、バブル崩壊後、金利が大幅に低下したことで商品の魅力が減少しました。また、銀行の資金調達コストや規制の観点からも維持が困難となり、1992年をもって大手銀行を中心に相次いで取り扱いを終了しました。
廃止された背景には、金融機関の収益構造の見直しや、低金利政策の影響も大きく関係しています。以降は類似商品も登場しましたが、MMCほど注目を集めることはありませんでした。
MMC廃止時、預金していたお金はどうなったのか
最も気になるのは、「MMCが廃止されたとき、預けていた資金はどうなったのか」という点でしょう。結論から言えば、預金者の資金は失われることなく全額返還されました。
廃止とはいえ、MMCはあくまで預金商品であり、元本保証が原則です。預金保険制度の対象ではない部分もありましたが、廃止に伴っては満期時または繰上解約として通常の普通預金や定期預金への移行が行われ、預金者が損を被ることはありませんでした。
実際の対応事例:都市銀行の動き
当時の大手都市銀行(例:三菱銀行や住友銀行など)は、MMCの新規募集を停止し、既存契約については満期をもって終了とし、その後は通常の預金商品へ自動で資金を移管する対応を行いました。
たとえば、「3ヶ月MMCに100万円預けていた顧客」は、満期を迎えた時点で100万円+利息が普通預金や新しい定期商品に振替される形式が採用されました。もちろん、希望すればその場で払い戻しも可能でした。
現在の市場に類似する商品はある?
現在の金融市場では、MMCと同様に金利変動に連動する商品として「市場金利連動型定期預金」や「変動金利型外貨預金」などがあります。ただし、かつてのMMCほど高利回りが期待できる状況ではなく、利用には注意が必要です。
特に日本国内の低金利が続く中では、債券や投資信託など他の資産と合わせた分散投資が重要になります。
まとめ:MMC廃止で預金は失われなかった
・MMCは市場金利に連動する画期的な預金商品だった
・1992年の廃止は制度や金利環境の変化によるもの
・預金者の資金はすべて元本と利息を含めて返還された
・現在は同様の仕組みを持つ商品もあるが、リスクやリターンのバランスに注意が必要
バブル期特有の金融商品として注目されたMMC。現在は見かけなくなりましたが、その仕組みと廃止後の対応を正しく知ることは、金融リテラシーを高める一助となります。

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