雇用統計・FOMC直前の相場はなぜレンジになりやすいのか?保ち合い相場の正体とトレード戦略

外国為替、FX

米国の雇用統計やFOMC(米連邦公開市場委員会)は、世界中の投資家が注目する重要イベントです。これらの発表前になると、為替や株式市場は大きな動きを控えた「レンジ相場(保ち合い相場)」になることがよくあります。本記事では、レンジ相場の特徴やその背景、そしてトレード戦略について解説します。

雇用統計・FOMCが控えると市場が様子見になる理由

雇用統計やFOMCのようなイベントは、相場のトレンドを一変させるほどの影響力を持ちます。結果が市場予想と大きく乖離した場合、価格が急騰・急落するため、多くの投資家がそれまでのポジション調整を行い、積極的な新規売買を避ける傾向にあります。

この「様子見姿勢」が強まると、相場は一定の価格帯で上下する「レンジ(保ち合い)」の状態に入りやすくなります。

レンジ相場・保ち合い相場・持ち合い相場の違いとは?

「レンジ」「保ち合い」「持ち合い」は、基本的に同じ現象を指す言葉です。一定の価格帯の中で価格が上下を繰り返す状態を指しており、トレーダーの間では「レンジ相場」という表現が最も一般的です。

機関投資家やファンダメンタル重視派は「保ち合い」、テクニカルトレーダーや個人投資家は「レンジ」と呼ぶ傾向がありますが、意味に大きな差はありません。

レンジ相場のチャートパターンとその特徴

レンジ相場は以下のようなチャート上の特徴を持ちます。

  • 高値と安値が明確に決まっている
  • 移動平均線が横ばい
  • 出来高が減少する傾向

典型的なパターンとして「ボックス相場」や「三角持ち合い(ペナント・シンメトリカルトライアングル)」などがあり、それぞれ異なるブレイクアウトの期待が高まります。

レンジ相場での効果的なトレード戦略

レンジ相場では、「逆張り」が有効とされています。上限付近での売り、下限付近での買いを狙うトレード手法です。ただし、FOMCや雇用統計の発表直前には、レンジブレイクの動きが急に出ることがあるため注意が必要です。

発表後は大きく相場が動く可能性があるため、事前にポジションを減らしておく「ノーポジ戦略」も安全策として有効です。

実際の相場事例:雇用統計前のUSD/JPY

2023年11月の米雇用統計発表前、USD/JPYは148.50〜149.30のレンジで推移しました。投資家は発表前にポジションを手仕舞い、結果を見極めてから新規エントリーする戦略が目立ちました。

発表後、非農業部門雇用者数が予想を上回ったことで、ドル高が進行し一気に150円台へブレイク。このように、イベント前はレンジ、発表後はトレンドが出るという傾向が見られます。

まとめ:レンジ相場は警戒のサインでもある

レンジ相場は、重要イベント前の警戒感や不確実性の表れです。トレーダーにとっては「仕掛け時」でもあり、「様子見時」でもある繊細な局面です。

自分のスタイルに応じて、「逆張り戦略」か「イベント後の順張り」かを選択し、相場の流れに乗れるよう準備を整えましょう。

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