株価が急騰したあとに売却し、その後の価格上昇で再購入に踏み切れない。このようなジレンマは、多くの個人投資家が一度は経験するものです。この記事では、そうした「買い戻しのタイミング」に迷ったときの考え方や判断の軸について、実例を交えて解説していきます。
なぜ売った株を買い戻したくなるのか
株を売却した後に価格がさらに上昇すると、「あのとき売らなければよかった」と後悔が生まれやすくなります。この心理は「後悔回避バイアス」と呼ばれ、冷静な判断を鈍らせる原因となります。
特に、同じ銘柄を再度購入することには「正解だったと証明したい」という無意識の欲求が働きがちです。しかし、それが「今、その銘柄を買うべきかどうか」という本質的な判断とはズレてしまう危険があります。
高値での買い戻しはなぜリスクが高いのか
価格がすでに急上昇した銘柄は、短期的に調整が入るリスクが高くなっています。たとえば、ある銘柄が1週間で20%上昇した後、短期筋の利確売りで10%ほど下落する例も珍しくありません。
買い戻しを検討する際には、チャートやテクニカル指標を確認し、過熱感が出ていないかを見極める必要があります。特に「RSI(相対力指数)」が70を超えている場合は、過熱相場であるサインとされています。
過去の実例に学ぶ買い戻し戦略
たとえば、2020年の某IT銘柄では、コロナショック後に急騰し、多くの個人投資家が売却。その後さらに上昇を続けたことで、買い戻しが進みましたが、そこから20%以上の調整が入り、高値掴みになった例もあります。
逆に、2021年のあるバイオ銘柄では、急騰後に一度調整が入り、そのタイミングで冷静に買い戻した投資家がその後の再上昇で成果を出しました。このように「焦らず待つ」ことが有効な場面も多々あります。
買い戻す際の戦略的アプローチ
「今の価格でも価値があるか」を冷静に判断するためには、企業のファンダメンタルズ(業績・成長性)を再確認することが大切です。もし今の株価に見合う実力があると考えられるなら、分割購入や時間分散の手法を取り入れるとよいでしょう。
また、買い戻す量を一度に決めず、「25%ずつ4回に分けて買う」などのルールを設けることで、リスクを分散しながら再エントリーできます。
どうしても迷うなら、買わないという選択肢も
無理に買い戻す必要はありません。「見送る勇気」も立派な投資判断です。もし株価がそのまま上がってしまっても、自分が納得した判断なら後悔する必要はありません。
むしろ、今後の相場でより良いチャンスが訪れる可能性を考える方が、精神的にも健全です。株式投資は「いつでも勝つ」よりも、「負けを小さく、勝ちを大きく」が原則です。
まとめ:買い戻しは感情ではなく戦略で
株を売却したあとに再び買いたくなることは自然な感情ですが、その判断が感情に基づくものであればリスクは高まります。大切なのは、「その銘柄を今買うべき理由があるか」を冷静に見極めることです。
テクニカル分析、ファンダメンタルズ、分割購入などの手法を使いながら、リスク管理を意識した判断を心がけましょう。投資は感情ではなく、再現性ある戦略で行うべきです。

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